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DATUMS 1991.10
ソフト化白書'91-'92を読む

徳田 賢二  専修大学助教授



  現代人はなんと虫のよい人間たちなのだろう。進化し尽くしたと思いこんでいる現代人の到達点は、「すべからくかわりにやってもらいたい。何でも楽にやりたい。人の力を利用しよう」ということだったのだ。
  人任せにすれば自分の時間は空きっぱなし。その空いた時間を使って人間だれしも持っている「好奇心」を満足させる。知的好奇心に従って「もっと勉強しよう。自分を磨きたい」遊的好奇心に従って「もっと遊びたい」。
 もっと勉強し、もっと遊ぶために「元気でいたい」。ここから出てくる疑問はみんなが皆、楽をしたい、人任せにしたいと考えているこの世の中で、誰が苦労して他人に「楽をさせてあげよう。任されてあげよう」と考えるのだろうか。
  ご安心あれ。いつの世の中にも少数派は存在する。少数派の良さは「希少価値」にある。奇特にも「他人に楽をさせよう」と思っている人たちがいる。この人たちは「希少価値」から生まれる大きな報酬をターゲットにしている。
  ソフト化経済センターが毎年発行している「ソフト化白書」は、その少数派の人たちがその「飯の種」を公開してくれた貴重な書である。
  かわりにやってあげよう。ホームパーティー。運転代行。ペット葬祭。
  楽をさせてあげよう。チケット販売。伝言ダイヤル。テレマーケティング。
  元気でいさせてあげよう。メンタルヘルス。フィットネスクラブ。
  遊ばせてあげよう。テーマ・パーク。マリンスポーツ。フィッシング。
  この調子でなんと50種類のビジネスを紹介している。この少数派たちは油断を怠らない。この気まぐれな現代人たちがこれからどの遊びを熱心にやるのか。どこで楽をしようとしているのか。その先行きの見通しも、その市場の大きさもちゃんと見ている。各業種の成長度も、市場規模も見極めている。
  我々のこの本の読み方は次の二通りである。よしこの客になろう。または、よしその少数派になろう。いずれでも結構である。前者であれば、ここに紹介されていないが、是非やってほしいビジネスを早く作れと叫べ。後者であれば、ここに紹介されていない、しかし皆がやって欲しいと思っているビジネスを真っ先に自分でやってみよう。これこそ「ソフト化の真髄」である。

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