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DATUMS 1991.11
買うよりレンタルする時代

磯貝 政弘  レジャー・サービス産業労働情報開発センター事務局長



  近年、レンタルビジネスが急成長している。レンタルビジネスといっても、馴染みの深いレンタカー、レンタルビデオなどの専門レンタル店に対して、ダスキン、アコム、マイレンタルなどに代表される、特定商品に限定せず広く生活用品全般を揃えた総合レンタルショップである。
  レンタルビジネスの成長の背景には、物質的な充足感が高まる中で、学生・20代・30代の若者を中心に、「所有価値」より「使用価値」を重視するという価値観の変化がある。また、狭い居住空間の合理的活用が必須の若い都市生活者の間に、所有するモノは必要最小限に留め身軽に暮らすというライフスタイルが広まりつつあることも大きい。ベビー用品のように一生の中で一時期しか使わないものや使う頻度の少ないスーツケースなどは、必要な時期だけ借りて利用するわけだ。
  こうした消費者ニーズによってレンタルビジネスは成長してきたが、最近は「持つか使うかではんく、いかに多様に使って生活を楽しむか」という若者の意識がレンタルの新しい活用法を生み出している。スーツケースをはじめとする旅行用品、スキー用具からヨットまでのスポーツ用品、キャンプ用品・4WD車などのアウトドア用品やパーティー用ドレスなど、さまざまなレジャーを楽しむためにレンタルを活用するのである。また、レンタカーでもベンツやBMWなどの高級外車の利用が都会の若いビジネスマンたちの間で増えている。レンタルで手軽にリッチ感を味わおうというわけだ。このように、レンタル需要の中心はレジャー用品が占めようとしている。
  一方で、「買うために借りる」という活用法も出てきた。新商品は実際に使ってみなければ本当に必要なモノがどうかわからない。そこで、レンタルを活用することによって買う前に確かめてみるのだ。
  レンタル志向は高まっており、極めて成長性の高いマーケットであることは確かである。しかし、これまではあくまでも若年層の需要に支えられて成長してきたのであって、より一層の発展のためには、中高年層の需要を掘り起こしていく積極的な工夫が必要となるであろう。また、運動会、祭りや各種パーティーの企画、演出といったソフトの提供を通してレンタル需要を創造しようとする動きが目立ち始めたが、待ちの営業から攻めの営業への転換を目指す業界の積極的な姿勢として、今後の展開が大いに注目されようとしている。

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