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DATUMS 1991.04
レポート・JTBのCre-8休暇

内藤 義治  日本交通公社労働組合中央執行委員

■ないとう よしはる


  苦しい要員事情とノルマ強化の中で私たちの労働実態は厳しさを増しているが、とりわけ役職者の労働条件についてはここ数年深刻化してきている。当組合では、その改善に向けた第一歩として、1990年度より新たに導入された全役職者を対象にした特別休暇制度Cre-8(クリエイト)休暇の取得の推進にとりくんでいる。
  役職者の厳しい労働実態を訴える声は、役職者のみならずその下で働く中堅以下の組合員からも「将来に希望がもてない」などの切実な意見として多く寄せられ続けてきた。組合では、このような状況を真剣に受け止め、役職者の労働条件の改善を重要課題の一つと位置付けて運動を開始した。そして、実態をより正確につかむために、89年末に組合員役職者全員を対象に労働実態に関するアンケートを実施した。厳しい実態が改めて数値となって浮き彫りにされた。また70%の人が、こうした状況を「改善すべき」と訴えた。当組合は長時間労働を余儀なくさせている要因をさまざまな観点から分析し、その分析結果をもとに強力に社との交渉をすすめた。結果、労働条件面での一つの緩和策として、先に述べたクリエイト休暇の導入に至ったわけである。
  制度の内容は、全役職者が毎年8日間の連続特別休暇(翌年度以降への繰り越しは不可)を取得することができるものであり、年度当初に取得計画を社に提出することになっている。また、その有効な活用を促進するために、共済組合の貸付制度の中に「クリエイト貸付金」(限度額50万円)が加わることとなった。
  年度当初、「実際にとれるのだろうか」などといった不安あるいは疑問の声が、周囲の者を含めて多かったが、昨年末の段階で70%強の役職者が既に取得に至っている。利用目的は、家族旅行がその多くを占めているようだ。本人のリフレッシュはもとより、家族からの喜びが多い。そして、「自分が休んだら仕事がまわらないのではとの不安があったが、何てことはなかった」「時代を先取りすべき旅行業に働く者として、お客さんの後追いにはなりたくない」といった声に象徴されるように、自らの仕事や生活を振り返る一つの契機にはなりえたようだ。

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