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DATUMS 1991.05
擬似的イベントとしてのテーマ・パーク

高木 恒一  東京都立大学大学院



  余暇開発センターの『レジャー白書'90』によると、新しいレジャーは6つのパターンに分類できる。テーマ・パークは目的型海外旅行やスカイスポーツなどとともに「未知発見型」に分類されており、未知のものを発見したり経験したりするレジャーとして位置づけられている。しかし、ここに分類された他のものとテーマ・パークには大きな違いがある。それは、テーマ・パークで体験できるものには実体がないということだ。そこにあるのはアイデアとハイテクを駆使した映像やアトラクションなどの擬似的なイベントである。そしてこのような体験は危険を伴わないものであることも特徴だ。テーマ・パークは安全かつ擬似的に未知のものと出会う場であるといってもよい。擬似的イベントを作り出すことは、少なくとも可能性として無限の可能性がある。むしろ、その可能性の中から何を商品として提供するのかが重要な問題となるだろう。また、このようなイベントは一度経験すればいいという性質が強いので、常に新しい擬似的イベントを作り出さなければならない。これもまた、既存の観光資源や施設に頼ればいい他のレジャー施設とは大きく異なるところだ。
  どのようなイベント提供すればいいのかは、各々の持つ特性によって大きく異なる。特性別の分類をしたのが右下の図である。これは縦軸に事業の展開の方向を、横軸に集客マーケティングの方向をとったものだが、事業の成功のためにはこの2つの点に関してどのような戦略をとるのかを明確にすることが求められている。もうひとつ付け加えるとすれば、求める客層がどのような人なのか、例えばアベックなのか、高齢者なのか、中・高校生なのかといった点も考慮に入れるべきだ。それぞれ未知のものと感じるものが異なっているはずだからである。ともあれ、テーマ・パークはひたすら未知のものを開発し、これを来場者に提供する場所であるということだけは間違いない。

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