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DATUMS 1991.07
21世紀に向けたホテル業

澤田 浩  ホテル労連書記長

■さわだ ひろし


  1960年(昭和35年)に始まったと言われているホテル建設ブームは、90年代に入っても第6次ブームを迎えた。東京港に臨むウォーターフロント開発はいろいろ話題を呼んでいるが、臨海副都市地区へ4軒、2400室余りのホテルが誕生するという。横浜市のMM21(みなとみらい21)計画でも、やはり4軒、1800室あまりのホテルが誕生することになっている。このように都市では都市再開発で、そして地方では大規模レジャー施設の核として、ホテル新・増設計画は全国で90年代前半に「構想」を含めて500軒以上、8万室以上が計画されているという。このように拡大の一途をたどるホテル産業に働く労働者は100万人に達しようと言われている。
  しかし、この分野で労働者の立場で発言できる組織である労働組合は残念ながら非常に少ない。1万3000人のホテル労連が最大の組織であるのが現状である。このような位置にあるホテル労連のこれからの運動に求められるものは産業構造、労働市場構造が大きく変化している現実を直視し、変化に対応した運動の機能・構造の変革をすすめ、創造性ある運動を行うことである。具体的には組織拡大、産別総合労働条件基準づくり、産業政策づくりなど単年度的でない中・長期展望にたった運動を重視することである。幸い組織は少ないながら北海道から沖縄まで交流組織を持ち、一定の影響力をそれぞれの地域地域でもっていること、同じレジャー・サービス関連産業労働者の総結集をめざす共闘組織「レジャー・サービス産業労連」を組織していることを有効に生かせることなどの利点を持っている。
  こうしてホテル労連は賃金・一時金闘争のみの労働組合では大きく立ち後れてしまうという認識のもとで、社会的領域の運動を自らのものにすること、生涯生活課題の取り組み、新しい時代の総合労働条件の取り組み、産業政策づくりと運動の重点を変化させ、中・長期展望にたって運動を進めている。そして全国のホテル・旅館・レストラン・会館等に働く全労働者の立場を代表して影響力を発揮できる産別組織づくりに努めている。

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