[BACK]
DATUMS 1992.08
国際航空貨物業とは、こんな“仕事”

赤石 和幸  観光労連中央執行委員

■あかいし かずゆき


  私たちは一般的に「国際航空貨物業」と一括して呼んでいるが、その中身は実際には混載業者と通関業者に大別されるだろう。その違いを業務内容を中心にまずはみてみたい。
(1)混載業者(フォワーダー)
  商社やメーカーなどの複数の荷主から集荷してきた貨物を仕向け地ごとに仕分けし、一個の大口貨物に仕立て、自らが荷主として航空会社に運送を依頼する。航空運賃が重要逓減制であることから、荷主と業者の双方がスケールメリットを得ることができる。
  混載業者は、運輸省へ届け出ることによって、それぞれが独自の運賃タリフを持ち、それに基づいた営業を行っている。
  なお、混載業者は基本tけいな運送手段である航空機を所有していないので、国内法では「利用航空運送事業」と呼ばれている。
(2)通関業者(輸出入貨物に関する通関業務代行業)
  主に、貨物を輸出する手続き(輸出申告・積戻申告)、海外から到着した貨物を自由に国内で引き取れるようにする輸入手続き(輸入申告)、および税関の処分に対する不服の申し立てなどの業務を合わせて通関業務という。これらの業務の遂行にはかなり複雑な業務知識が要求される。そのため、通関業者は専門知識を持つ「通関士」を設置し、荷主の代理人として通関業務を行う。
  さて次に通関業務の現状について、少し触れてみよう。
  1978年の原木地区(千葉県:航空貨物シティーターミナル)を皮切りに、伊丹空港、成田空港、東京都内及び大阪市内で<Air-NACCS(航空貨物通関情報処理システム)>が導入された。これは、税関、航空会社、保税上屋業者、銀行、混載・通関業者をコンピュータで結合するシステムである。この導入によって、輸出入貨物量の急激な増加へ対応が可能になっただけでなく、航空輸送の最大のメリットの一つである「迅速性」が一段と高められた。
  混載業者(フォワーダー)と通関業者は、全く業態が異なるとはいえ、利用者側からすれば貨物を航空機で輸送するという唯一の目的でこれら代理店を利用するわけで、現在ではほとんどの代理店が混載と通関を兼業している。さらに<SEA&AIR>のような複合一貫輸送を行うといった傾向も強まりつつある。競争が激しいこの業界にあっては、いかに荷主のニーズに細かく応えられるかが重要で、各社ともに、欧米はもとより世界各地域に現地法人を設立するなど、積極的に海外進出を図っている。
  航空輸送は、速く、安全に、そして正確に、という利点から、今後も成長するものと考えている。また、国内の流通システムの中での役割も、より一層重要視されていくだろうと思われる。
  しかし、その一方で、利用者のニーズが多様化し、業界内の厳しい競合状態が進むにつれ、kの産業に働く者にとっては労働条件の改善とは逆行する状況が目立ち始めているのも事実だ。また、さらに日本初の24時間空港である関西新空港開港という新たな局面も迎えようとしている。
  こうした中でこそ、労働時間短縮をどのようなプログラムで実現していくのかについて、労使が互いに知恵を出し合い、真剣に取り組まなければならない。このことが、若年労働力の安定した確保のためにも必要不可欠な条件の一つであると考えるからである。

[BACK]