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DATUMS 1993.04
パソコン通信で運ぶ 地方自治体の観光情報

棚橋 聡紀  運輸省運輸政策局情報管理部 情報企画課

■たなはし さとき
 1962年生まれ。運輸省にて現在「観光情報提供システムの構築に関する調査」(本文)、「乗車カードの標準化・共通化推進に関する調査」(種々の公共交通機関を一枚のカードで利用できる共通乗車カ−ドの推進に関する調査)、「TT&L(Travel、Tourism&Leisure)ED1関連」(旅行等のための電子データ交換に関する国連統一規則について)などを担当。


  運輸省では、パソコン通信を活用した観光情報提供システムの構築について調査を行っている。このシステムは、観光情報の発信源に最も近い地方自治体が、直接、一般の利用者に対して情報を提供するものである。
  調査では、分析手法としてQC(品質管理)手法を用い、また、調査自体にパソコン通信を大いに活用した。特に、商用パソコン通信ネットにおけるアンケート調査では、数日のうち2,000件を超える回答と集計結果を得られ、改めて、その有効性を実感した。また、本調査では、商用パソコン通信ネット上に公開の会議室を設け、一般パソコン通信利用者に観光情報システムについて自由に議論していただいた。こうしたパソコン通信を活用したアンケートや会議室は、今後各種調査において大変有効な手段になるであろう。
  さて、本調査で構想する観光情報提供システムであるが、調査結果から以下のような方式を策定した。
1.情報を蓄積するデータベースについては、地方自治体等が各々で構築する分散方式とする。これにより、情報入力の負担を分散し、かつ情報の正確性、迅速性を高める。また、初期投資が低いため、地方自治体が新規に参入しやすくなる。

2.提供する観光情報提供様式を標準化し、これに基づいて各地の情報提供を行う。このことにより、データベースが分散型であっても、利用者からは1つのシステムを利用しているように見える。また、利用者のアンケート結果から得られたパソコン通信観光情報への不満点の約30%の要因を解決できるため、システム、システム利用価値を高めることができる。

3.各地のデータベースを商用パソコン通信ネットとつなぐことで観光情報システムのネットワークを全国規模に拡大し、アクセスポイントを完備できる。また、地方自治体にとってはサービス化石地から数十万人の利用者を対象に情報提供できる。

4.利用者が期待するサービスを実現し、利用価値を高める。具体的には、パソコン通信ので地図、写真等を得られる仕組みとする。また、パソコン通信の双方向性を生かして、利用者と地方自治体の間で観光に関するQ&Aサービスを行う。(予約サービスについては技術的、制度的側面から引き続き検討を行うこととする。)

  さて、このようなシステムが活性化するポイントは「人」である。情報更新の担当者の熱意と組織の上層部の理解、使う側が趣味の検索ではなく、活用するための検索を行うような仕組み、そしてシステムの中にビジネスチャンスが生まれ、関連事業者が創意工夫を持って参入すること等である。
  本システムでは、より多くの観光関連事業者が、宿泊や交通機関の予約、パックツアーの募集等で参加できるようなものとしたい。
  なお、本調査は来年度、参加する自治体、企業等を募り、実験事業に取り組む予定である。

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