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DATUMS 1993.04
生きのいい地域情報を活用するために

土屋 真美子  アリスセンター事務局

■つちや まみこ
 1956年生まれ。日本女子大、早稲田大学修士課程終了。1988年アリスセンター設立以来、事務局をつとめる。


  市民活動の情報がタテワリ的に流通し、特定の人にしか届かない状況に風穴をあけたいと、「市民活動のための情報センター」をめざしてアリスセンター(正式名称 まちづくり情報センター・かながわ)が発足したのが1988年。設立当初から、市民活動の情報流通を促進するツールとして、月に2回の情報誌、パソコン通信、フォーラム等を提供してきたが、出発当時は、それ以外に、多少なりともデータベースをめざし、資料やデータをストックしようとした。というのも、「そこへ行けば何でもわかるデータベース」であってほしい、という希望が多かったからである。
  しかしスタートしてまもなく、データベースは断念した。金銭的な問題もあるが、むしろデータをそのまま提供するよりも、「どこにどんな情報がある」という「情報所在情報」の方が、その後の動きが広がる意味で、市民活動にとって効果的だと考えたからである。
  そこでアリスセンターは、市民活動にとって利用しやすいツール、そして情報所在情報の提供を行う情報センター機能を充実させようとしてきた。ところが、ここ2,3年、市民団体は大きく変化している。アリスセンターが設立された当時は、行政に市民の声を届ける「市民参加」を目的とした活動が中心であったが、最近は自分たちで社会のシステムを担っていこうという活動を重視するようになってきた。つまり、「参加」から「自立」へと、市民活動が変わってきているのである。
  そういう中で、アリスセンターも単なる情報センターではなく、「自立」に対応するためのサポートセンター機能が求められるようになってきた。必要とされるのは、経理の仕方や運営手法、あるいはグッズの作り方といった具体的に役立つノウハウ、である。一方、行政も遅まきながら市民活動に目を向け始めたが、「××についての情報をください」「○○についてファックスで送れ」と人間関係もなしにいきなり市民団体に命令を下しても生きた情報が集るわけはない。地域の情報は地域に埋まっている。地域に出ていって発掘しなければならないことを行政は理解していないようだ。そこで、アリスセンターは、今後これまでの情報センター機能に加えて、ノウハウを提供できるサポートセンター機能を充実させ、より市民が利用しやすいアリスセンターになりたい、と考えている。
  しかし、単なるノウハウの提供だけでは、目的を見失ってしまう危険もある。そこで、今まだ確立されていない経済的自立以外の社会的自立に関するビジョン、自分たちの住みたい町のビジョン等をしっかりと提示することも、並行しておこなっていきたい。

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