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DATUMS 1994.10
都市部での事業継承を考える

澁谷 昌也  (有)梅林専務取締役 銀実会前理事長

■しぶや まさや
 1953年神奈川生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。銀座で70年続いているとんかつの老舗「銀座梅林」の3代目。銀座で店舗、会社を営む若手経営者を中心に活動する銀実会(ぎんみかい)前理事長。


  いま銀座だけではなく都市部での事業承継には、いままでの後継者問題、事業の内容の時代への適応などだけでなく相続税が大きな問題になっています。ここ何年かのバブル期を中心とする都市部での地価の大幅な高騰は相続税の算出基準となる路線価を大幅に上げ、我々都心で営業を行っている中小企業の経営者にとって事業継承を困難にする最大の要因になっています。
  特に日本一地価が高いといわれる銀座では、現実に相続ができず、長年営業していた店を閉め、他の土地へ移っていった方もおります。これは、我々の意図しない土地の高騰により銀座で商売を続けてゆくことには、あまりにも大きな相続税の額によるものです。
  先月、今年の路線価が発表されました。新聞では大幅な下落と報道されていますが、まだまだ高い価格です。また、平成6年度の相続税法の改正でも、一部の条件を満たせば相続税が軽減されましたが、銀是で商売をする者にとってはまだまだ厳しい状況です。
  銀実会は昭和27年に発足した会で、現在会員が約250名おります。そのうち約80名の40歳以下の若手が銀座のためにとがんばっております。毎年10月に行われる大銀座まつりを企画したり、銀座にいらっしゃる来街者の方への感謝のイベントなどを行っております。 私がこの銀実会の昨年度の理事長をさせていただいていた時、この事業承継の問題を勉強してゆくうち、、今の土地税制による固定資産税や地価税、そして相続税があまりにも我々にとって負担が大きすぎ、いくら銀実会で銀座の発展を考えても、21世紀に繋がる前に自分の店そのものがなくなってしまう、と考えはじめました。そこで、我々銀座だけでなく他の地区の若手にも声をかけてゆこう。この問題は21世紀の自分達の街を創る自分達の問題だと。
  幸い、銀実会にはスマッグ(SMAG:新宿のS、横浜元町のM、浅草のA、銀座のG)という銀座以外の若手経営者との交流会があり、ました。昨年の9月のこの会で、私がこの問題を提起したところ、皆様の共感を得ることが出来ました。そこで我々が運動するに当たり次のふたつのことを決めました。
  ひとつが、右頁の写真の「都市から街が消えてゆく。現行の土地税制・相続税に、イエローカード!」のステッカーを貼って訴えております。また、ふたつめには、さらに他の地区の方のご協力もいただき大会を開き、我々の声が少しでも国に届けば、と考えております。現在、四谷地区、神田地区、築地地区の方々からもご協力の声をいただいております。この記事をご覧になってご質問のある方は、是非お気軽に銀実会の事務局までお問い合わせください。

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