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DATUMS 1994.02
地球四周分の魅力

金田 貢  JTB中央健康管理センター

■かねだ みつぐ
 1948年生まれ。フルマラソン40回、30km35回など、公式レースに200回以上出場し、フルマラソンに2時間30分の記録を持つ。ボストンマラソン10年連続完走、青梅マラソン26年連続完走。ともに日本最多記録である。JTBでは営業畑を歩んだあと93年から現職。“走る添乗員”の生の経験を生かして社員全体の健康増進を図る立場に。


  15歳の高校一年生の夏、陸上競技部に入部した。以来30年経った今日まで。、力は衰えたものの現役選手として走り続けてきた。走った距離は練習を含めて約17万km。地球をざっと4周した計算になる。
  マラソンの魅力はなんと行っても自分の練習した成果がレースに現れるという点である。どんな一流選手でも必ず自分自身で練習しなければならない。練習溜めもできない。レース出場ごとに練習しなければならないのだ。
  一流選手も市民ランナーも公平に努力の結果が現れるという点は大きな魅力である。永年続けていればだんだん強くなるのも嬉しい。体力の増進と同時に、練習やレースの要領を覚えてくるからである。
  マラソンの魅力のもう一つは一人でも大勢でもできることである。何人か集まらなくてはできないスポーツは、自分がしたくてもメンバーの関係でできないと時ある。練習も出場も自分の意志次第でできる。
  利害関係のない老若男女の走友たちとの交流ができるのもまた魅力である。マラソンは○○走友会といいたクラブチームが多いのだが、これはマラソンの原点が個人スポーツだからであろう。団体スポーツはどうしても企業チームが多くなる。仕事上の利害関係がない人たちとの交流はリラックスできるばかりか、他の企業風土を知ることもできるし、社会人として幅を広げるチャンスでもある。
  前述のとおり30年間マラソンを競技として続けてきたが、振り返るとマラソンで最も大変なのはいかに練習するかということであった。換言すれば、マラソンで苦しいのはレースそのものではなくて、レースのための練習である。
  サラリーマンで競技を続けていく辛さも味わった。現在はただ楽しんで続けているだけであるが、20歳台は自分の可能性に挑んで走った。今にして思えば仕事以外は全てが“マラソン”であった。それだけ青春をつぎ込んでも、やっとフルマラソン2時間30分である。
  当時の練習量を見ると、土、日、祝日、年休は、もちろん練習かレースに費やした。距離は一日に約25km。平日は朝一時間走ってから出勤した。フルマラソンの前はさらに帰ってから約一時間ほど練習した。もちろん残業もあった。自分でもよく体がもったと思うことがある。
  近年、ジョギングやマラソンの愛好家が急速に増えてきている。健康上には賛否両論あるなかで、彼らもきっと自分自身の“マラソンの魅力”を持っているのだろう。他人がなんと見ようと、自分で楽しいと思うことを行うことが“健康増進策”の一つではなかろうか。

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