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DATUMS 1994.7
「余」でも「暇」でもないレジャー追求

瀬戸口 晴子  南日本放送マーケティング室企画部

■せとぐち はるこ
 1964年生まれ。御茶の水女子大学家政学部卒業。南日本放送では、入社以来マーケティングを担当。営業のスポンサーおよび自社の報道・ラジオテレビ製作・編成・プロモーション等における市場調査をベースとした諸業務にあたる。


  人と出会う時、「どんな仕事をしているのか」よりも「どんな趣味に凝っていて、どんなレジャーを楽しんでいるか」ということの方が気に懸かる。誰だって担当業務は思うに任せなくても、オフの日の過ごしかたは、自主的・能動的に選択できるのだ。「余暇」は、その字義とはうらはらに、その人の人生や生きがい、人となりをうかがわせるもののように思う。
  『レジャー白書'94』では、余暇に求められる楽しみや目的として、「交流」「安らぎ」「休養」「向上」「自然志向」等が基本ニーズにあげられている。が、属する世代やライフステージによって実際のレジャー活動は当然まったく違ってくる。ヤング層のレジャー活動に関して、特に首都圏のそれについては日々様々な先端情報が新聞・雑誌にレポートされているようなので、頭数では負けないし今後も着実に増えそうな「地方都市に暮らすヤング」の視点から、少々一般的ではないかもしれないが、身近なわが身をサンプルに考えてみたい。
  思えば7年前、晴れて念願のUターン就職が決まった私のユウウツは、休日の過ごしかたであった。4年間の東京生活ですっかり好奇心が全方向に増長してしまった。だからこそ選んだ就職先とはいえ、今更、鄙の生活に満足できるのだろうか………。
  が、しかし、地方には地方のユウワクが待っていたのである。状況はせいぜい年数回、海外1回程度が精一杯。それでもこの環境は、私のヨクバリな人生享楽体験発見指向を見事に開花させる結果となってしまった。文化施設やアミューズメント施設等での都市型レジャーと地方での自然享楽型レジャーとの二股オイシーとこ取りである。東京では、学性時代にはまった歌舞伎に文楽、美術館巡りに下町情緒、ショッピング&タウンウォッチング、と仕事柄話題のショッピングやイベント、情報発信スポットなどを気分次第でつまみ食い。一方、地元では東に太平洋、西に東シナ海、北に霧島連山、南に離群島、まん中に桜島というダイナミックなロケーションに囲まれて、週末はドライブにオートキャンプ!五月晴に思い立って登山をしても高原で花見をしてもテニスに汗を流してもバーベキューの臭いにまみれても最後に温泉が待っているのも鹿児島ならでは!山間の紅葉降る露天風呂、海際の砂蒸し風呂、渓流ぞいの石の湯船。旬に出かけたって首都圏のように絶望的な渋滞や人混みはない。与論島や種子島にはマリンリゾート、世界遺産の屋久島。高速道路やJRで九州一円に足を延ばす。旅行も昨今のアウトドア志向の延長で、代理店まかせのツアーではない。仲間うちで企画を練ることからしてレジャーなのだ。
  やりたいことを実現できるパワーの基となる可処分所得・時間そして大自然に恵まれた環境は、(特に親元で独り身の)地方派ヤングならでは!!なのである。
  さらに、わたしたちの世代では「レジャー」は「余」でも「暇」でもなく、「仕事」と両輪をなして生活ビジョンの中に確かな位置を占めている。それだけに今後年齢を重ねるにしたがい、あるいは家庭を持てば、エンジョイ型レジャーだけにとどまらず「エコロジー」や「ボランティア」との止揚も気になりそう。時には立ち止まって、私たちの人生を彩るにふさわしい新しい意味を持ったレジャー、もといライフスタイルを探してみたい。そんな風を南から発信できたらと思う。

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