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DATUMS 1994.09
国際交流の村・田野畑

千葉 務  田野畑村教育長

■ちば つとむ
 岩手県胆沢町生まれ。小・中学校教員・指導主事。昭和61年より田野畑村立田野畑中学校校長、63年より田野畑村教育委員会教育長。平成5年アーラム大学を訪問。


  田野畑村には三つの交流の輪がある。それは村民交流であり、都市との交流である。そして三つめが国際交流である。この三つの交流の輪が調和よくクロスすることにより村民の意識高揚が図られ、豊かさが享受でき村の活性化が見られるのである。
  本村が国際交流に具体的に取り組んだのは昭和46年からである。本村と早稲田大学との交流(都市との交流)で結成された「思惟の森の会」の活動と関わりがある。つまり早稲田大学と米国アーラム大学(インディアナ州)と交流があり、毎年思惟の森を通じて両大学生や享受が本村を訪れるようになった時からである。
  思惟の森の活動は、植林や森林の下草刈りの作業である。両学生に交って村民もともに鍬を持ち、鎌を振って大地を相手にした作業を行うのである。村内で合宿し交流と交歓を行いながら正に人間教育の基本にたった活動を展開した。以来20数年継続して行われている。村立中学校の生徒もこの活動に参加し自然を介しながら国際交流を経験している。
  一方、昭和52年よりアーラム大学の卒業生を本村教育委員会職員として採用し、村立中学校英語講師として勤めさせた。以来2名の英語講師を2年間交替で招へいし、小中学校及び生涯学習の中で活動してもらっている。彼らは村内に居住しており村民との交流も日常的に行われており、相互に村民として交際をしている現状である。ア大教授も本村に在留し研究活動を行いながら交流をした。
  田野畑村は「村づくりは人づくり・人づくりは教育から」という教育立村を標榜している。豊かな自然の懐で深く思惟する村民を育み、村全体が生涯学習の道場として機能する「自然と人間性が調和した思考村への悠久なる村づくり」への基本理念である。従ってアーラム大学を中核とする国際交流事業はこの基本理念実現への道でもあると考える。国際交流事業も年々充実が図られている。海外研修も広がりをもってきていいる。一方国際交流の動きは田野畑村を中心に早くから岩手県内20数市町村にも波及し拡大が図られている。 一つの交流が新たな交流に発展し国際人としての資質を高めるための「国際交流活動」を行政からも教育現場からも推し進めている。米国アーラム大学と田野畑村の国際交流は21世紀へ向けた人づくりの重要部分を果たしている営みであると考える。模索の時代から今日発展の姿―正に国際交流の村・田野畑と言えよう。

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