[BACK]
DATUMS 1995.10
ホームページ作成の視点

村瀬 千文  (株)森拓之事務所取締役企画部長 ホテルジャーナリスト

■むらせ ちふみ
 1957年生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。単行本『世界のリゾート
l・マリンリゾート』『世界のリゾート?・スキー&マウンテンリゾート』『コート―ダジュールのプティホテル』等企画。95年女性のためのホテル雑誌「マイホテルズ」創刊。現在、共同通信の配信による新聞連載コラム「ホテル100年物語」を連載中。


  去る8月31日、日本の観光情報を海外の外国人に向けて発信する、ホームページ“Japan Travel Updates”が国際観光振興会によりオープンされた。そのコンテンツ作成を当社が頼まれ、私もプロジェクトのメンバーとして参加したため、最近会う人ごとに「インターネットって、要するに何なの?」とか「インターネットによって何が変わるの?」などと聞かれる。
  今から約1年前、このプロジェクトの立ち上げのため運輸省の方が奔走されていた頃には、日本ではほとんど知る人もいなかったこのインターネットが、最近では時代のキーワードとなっている。時代が大きく変わるときのスピードのすさまじさをつくづく感じる。 さて、今回のコンテンツの作成に当たって我々がまず考えたことは、“外国人の視点”で作るということだった。一見同じ内容の観光情報に見えても、日本人と外国人では情報へのアプローチの仕方、興味の対象、思考の回路など大きく違うことが多い。これは旅行ガイドブックの作り方を比べて見るとよくわかることだ。
  また、コンピュータ通信が生活の一部なっているインターネット先進国のアメリカと比べると、日本での普及率はまだまだ遅れているので、情報を得る媒体としてのインターネットの特質、楽しみ方、醍醐味などがまだまだ実感としてよく知られているない。したがって現在オープンしている日本製の既存のホームページを見ると、単に雑誌など紙メディアにかかれている情報をそのまま載せたものが多く、外国人のインターネット愛好者にはあまり評判がよくなかった。
  そこで生きたのが、当社の従来からの仕事のやり方だった。わかりやすく言えば、ハリウッドの映画製作システムに近いものだ。これはどういうことかと言うと、まず当社のコンセプトメイキングとプロデュースだけを行い、スタッフは毎回プロジェクトの内容に合わせて外からそれぞれの分野で最強のメンバーを集めてくる。
  そして、各スタッフの仕事の責任範囲をはっきり分け、権限を明確にした。基本的に週1回の合同会議で顔をあわせて要点のチェックをする以外は、業務連絡やデータのやりとりもパソコン通信で行い、日本的に随時打ち合わせたり、だらだら一緒に仕事をする方式は意識的に避けるようにする。
  また、今回は特にプロジェクトチームを組む際に、外国人スタッフを入れるだけではなく、日本人スタッフについても外国人の思考を実感として理解できるスタッフを集めた。つまり、スタッフ自ら「欧米的思考」「インターネット的世界」に身を置きながら制作をすすめるのが当社のやり方だ。
  その結果かどうか、おかげさまでホームページがオープン以来、外国人のインターネット愛好家たちにはたいへん好評のようだ。
  インターネット、まずは難しく考えるよりも一度ぜひ体験していただきたい

[BACK]