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DATUMS 1995.11
消費者はコンビニに何を求めてきたのか

梶野 久美子  フリーライター

■かじの くみこ
 
1958年生まれ。出版社、編集プロダクションを経て独立。食に関する書籍や雑誌の企画、取材が中心。小学5年、4年、1歳半の母でもある。


  私の住まいは山の手線内の、いわば都心にあるが、半径 500メートル以内を数えただけでも、ざっと5店舗のコンビニがある。それに加えてスーパーマーケットが2店舗、ミニスーパーが1店舗、計8店舗が競合し、凌ぎを削っているのだ。「開いててよかった」のフレーズで一躍有名になったセブン‐イレブンを筆頭に、その数は、ローソン、ファミリーマート、am/pm等、次から次へと、まさに筍状態。年間3000店が新規出店するといわれるコンビニ業界ではあるが、その競争は激化する一方である。
  コンビニに行けば、今何が流行っているかわかるといわれるほど、その存在は不可欠だ。なんでも4人に1人の割合で毎日通っているという。ここはリアルタイムに集まる情報基地なのである。
  私自身依存度が高いのは、食べ物。中でも充実したお弁当、ミニ丼シリーズ、おにぎりに代表される。コンビニの利用者は中・高生や独身者が多いといわれるが、その店舗が住宅地にあればあるほど、実は主婦層の利用率は多いのである。専業主婦の大部分、ランチはコンビニ派というのが、少なくない。
  これを主婦の手抜きということなかれ。キッチンを使わずに、食べたい物を自由にチョイスできるメリット。コンビニはインスタントだときめつけるのは古い。カロリーは表示してあるし、デザートまで揃ってしまうのだから、完璧である。何百円かで、気分も活性化されるのなら、安いものではないか。
  また、保存料や合成着色料無添加の弁当を売出し、より安全で安心な食品をキーワードにするコンビニも出現した。こうした食品が店頭に並び、ますます充実することを願っている。
  先日韓国を旅行した折にもコンビニを覗いてみた。食生活の違いもさることながら、焼肉の冷凍品やたれのバリエーションには驚いた。どの店も、味つきのカルビや野菜はもちろんのこと、たれや薬味の瓶詰めには目を見張るものがあった。日本のコンビニは簡便性はあるが、インスタントのイメージが強く、調味料の品揃えには乏しい感がある。スーパーに匹敵する、せめてセミプロ級の調味料を揃えて欲しいと思うのが、一主婦の願いだ。
  さて食生活がコンビニでまかなえるとするならば、次に消費者が要求する物は何だろう。宅配の取次ぎやDPEはもちろん、公共料金の収納代行などのサービスはほぼどこのコンビニも行っている。そんな中、レジャー部門を充実させようとしているのが、ファミリーマートとam/pmだ。コンサートチケットの予約発券や、全日空国内線航空券が買えるという。
  今後、全国のホテル宿泊や遊園地のチケットの提供など、より生活に密着したサービスを展開するコンビニの登場に期待する。アルバイトに頼っている現状では、カウンターサービスへの信頼はいまひとつではあるが。

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