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DATUMS 1995.09
過労死問題 日韓シンポジウムを終えて

鈴木 明  東京都労災職業病センター事務局

■すずき あきら
 1962年長野県生まれ。90年から現職。労災ついての相談活動や労災・職業病の予防活動を行う。外国人労働者の相談に対応する機会も最近増加している。


  7月22、23日、東京において「過労死問題日韓シンポジウム」と「第2回労働と健康に関する日韓共同セミナー」を開催した。韓国からは、労災職業病問題に取り組む団体の専従者をはじめ、医者、弁護士たち5団体から総勢17名が参加。日本側主催は全国の22地域安全センター、団体からなる「全国労働安全衛生センター連絡会議(全国安全セミナー)」である。
  1993年10月の韓国での第1回共同セミナーに続いて、今回、日本での開催となった。このセミナーは、93年韓国「労働と健康研究会(労健研)」から全国安全センターへの、日本の過労死問題の問い合わせに端を発している。労健研は医療関係者、安全衛生の専門家を中心に、労働安全衛生に関する労働者教育、調査研究を行っている団体である。この年、韓国で「過労死相談センター」が設立され、相談活動の取り組みを開始した。ちなみに1年半の活動で、相談が126件あり、うち20件が労災認定され、2件が行政訴訟中と報告されている。
  さて、4泊5日にわたる韓国の方々との交流を通した私の感想を述べてみたい。
  まず、労働運動の前進につながるような安全衛生活動を意識している点である。韓国では、今秋、民主労組のナショナルセンターである「民主総労」の結成が予定されている。
  労働運動の盛り上がりの熱気は、参加者たちから感じられた。安全と健康の問題を労働者が主体的にとらえるために、労働組合に期待するところが報告からもうかがえた。そして実際、労働組合と連携した活動により制度改革を目指した取り組みを行っている。たとえば、健康診断制度のあり方について、自主的な健診を組合が組織的に行い、現行制度の不十分さを指摘し、要求にまとめている。
  次に、労働安全衛生をめぐる法律、労災認定の基準など、日本と韓国ではかなり似ている点が多い。似ていながらも、具体的にはやはり違いがあるので、今後共同した作業を行うとき、情報交換の重要さを再度認識した。そして、このようなセミナーを開催して一番得るところは、自らの活動を点検する良い機会になることである。韓国側の取り組みに触発されることの多い交流だった。

 「今度はソウルで会いましょう」というあいさつのうちに、次回までの「活動成果」を考えてしまう。そんなところも国際交流の面白いところかもしれない。

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