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DATUMS 1996.10
バリアフリーを目指して

夘辰 知也  ボランティアグループ野うさぎ代表

■うたつ ともや
 1964年川崎市生まれ。拓殖大学商学部経営学科卒業後、センコー(株)に入社。川崎市社会福祉協議会職員を経て、退職後、夘辰輸送サービス、ボランティアグループ野うさぎを設立し、現在移送活動を中心にNPO活動を展開中。
□ボランティアグループ野うさぎ:
 横浜市緑区東本郷4-10-35-101、TEL・FAX 045-473-3634


  平成7年4月、私は社会福祉協議会を退職し「ボランティアグループ野うさぎ」を発足させました。それは、現在の障害者や高齢者が直面している問題から、早急に神奈川で新しいNPO団体を設立する必要性を強く感じてのことでした。
  当時、社会福祉協議会で仕事をしていた私は、今の日本では一度障害者になると、家から外出することが、家族・住宅・都市・組織・福祉機器・制度のあらゆる障害(バリア)により困難であることを痛切に感じていました。それに拍車をかけるように、ホームヘルプ事業をはじめとする新ゴールドプランにも、移送に対しての計画が盛り込まれていませんでした。その時移送の問題を中心に、情報及びネットワークの付加価値を持った行政制約の薄い、純民間レベルのNPO団体としての活動が絶対に必要だと感じたのでした。
  私が目指すNPO団体とは、今までの行政補助や善意の寄付等での活動資金に頼るだけのものではありません。簡単にイメージするならば、F1などのモータースポーツにみられる運営方法による活動展開に近いものがあります。 具体的には、障害者の立場に立った移送サービスに理解をいただいた企業のサポートが、私たちの活動資金となっているのです。そして、私たちは活動を通してサポート企業・団体のイメージを高める努力をするとともに、必要な情報、技術、機能をともに共有、開発、供給しています。また同時に、これら企業の力を借りることにより、現在各組織単体(福祉組織・団体・保健所・病院)で別個に遂行している業務を、連絡調整する機能を併せ持つゼネラルな事業団体を目指しています。
  以上のことを念頭に置きながら活動を開始してから1年が経ち、現在いくつかのサポート企業、病院、福祉事務所、保健所、訪問看護ステーション、在宅支援センター、ホームヘルプ事業団体等などと連絡調整を取りながらの活動までに至っています。
  更に次のステップとして、障害を持つ人びとに、より幅広い世界を見て、楽しんでもらうことを目的とした外出イベントプログラムを副代表の山田が企画し、今年10月に実行します。このイベントは、横浜のダイビングショップとマリーナ会社と福祉施設との協賛により実現するもので、大型クルーザーで秋の横浜ベイクルーズを行うというプログラムです。
  必要最小限の自由しか与えられずに、狭い世界に閉じこめられてきた障害者たちが、真の人間として生きるためには、煩わしい制約のない、彼らのニーズに 100%応えた移送サービスを行うことが大前提にあります。これからは、いかに移送の問題を解決し、多彩な外出イベントプログラムを組み、更に今までの障害(バリア)を打破していくことが社会にとっても、もちろん企業や行政、個人にとっても必要不可欠な条件ではないかと、提言するとともに、この提言に興味を持っていただいた方の声をお待ちするものであります。

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