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DATUMS 1996.02
サラリーマンから特別養護老人ホーム運営へ

佐藤 治司  社会福祉法人聖風会事務局長

■さとう はるじ
 1939年生まれ。住友化学工業(株)、住友ケミカルエンジニアリング(株)に勤務。勤務の傍ら、NHK学園専攻科「社会福祉コース」で学び、修了生で組織する全国規模のCSネットワークの事務局長を務めた。1995年夏から現職。


■第2の人生への出発
  定年まで後4年となった昨夏、私は永年勤めた民間会社を退職し、畑違いの福祉の現場に身を転じた。今4月に新規開設する特別養護老人ホーム「光風館」の開設準備に忙しいながらも楽しい毎日を送っている。
<施設の概要> 
1.場所――愛媛県西条市氷見
 後ろに四国山脈の霊峰石鎚山を仰ぎ、前に波穏やかな瀬戸内海(ひうち灘)を望み、東は工業都市新居浜市、西はタオルの町今治市を一望できるのどかな丘陵地
2.規模――特別養護老人ホーム「光風館」50床(+ショートスティ20床)/デイサービスセンター15人/ケアハウス「南山荘」30人 開設――平成8年4月
3.福祉活動への動機
  私は難病の息子を授かった。18歳で他界したが、車椅子の生活を強いられながらも、いつも明るく限られた命を完全燃焼してくれた。その短い一生の生き方は周囲に多くの影響を与えたが、私も息子のお蔭で多くのことを学び、多くの知人を得ることができた。この体験が私の生き方を変えることになり、ボランティア活動のきっかけとなった。今回の転職につながるM氏との出会いもボランティア活動であり、息子に感謝している。

■老人福祉への思い
  老人福祉法でもうたっているように、老人は多年にわたって社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、生きがいをもって安らかな生活が保障されなければならない。
  老親の介護を当然のこととして受け止め子供の成長に夢を託し、企業の発展が自分の幸せにつながると信じ、自分を犠牲にしながら老齢期を迎えた老人が得たものは、老後への不安を抱えながらの諦めの生活である。天寿を全うした老人が旅立つとき「ああ長生きをしてよかった」とひとこと残せる世の中にしたい。

■サラリーマン時代の蓄積
  一見関係の無いと思われた民間会社での体験や知見が意外に役立ち感謝している。転勤に伴う東京での生活が特に収穫であった。ボランティア活動を端緒として余暇を利用しての学習が役立ち、学習を通じて得た多くの知人からの励ましが今の糧となっている。

■施設福祉からやさしい町づくりへ
  まずは、利用者が施設での生活を楽しめることに最善の努力をするとともに、施設の運営を通じて、思いやりのある人材の育成に注力したい。また、地域の諸活動に自発的に参加できる雰囲気づくりを心掛けたい。地域の福祉が向上し、みんなが暮しやすい、やさしい町づくりの一助になることを信じて微力を尽したい。

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