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DATUMS 1996.03
横浜女性フォーラムにおける起業支援

大石 友子  (財)横浜市女性協会

■おおいし ともこ
 1977年早稲田大学第一文学部社会学専攻卒業。ヤマハ音楽振興会の企画運営を担当。88年より横浜市女性協会事業グループで調査研究事業、就業支援事業を担当。横浜市経済局消費グループ支援研究会委員。国際交流基金欧州女性交流事業検討委員を歴任。編著書に『女性起業の完璧マニュアル』など。


■女性起業ブームの背景と支援
 (財)横浜市女性協会は88年に横浜女性フォーラム開館以来、女性の地位向上と女性問題解決を図るためにさまざまな事業を実施してきた。その一つとして女性の経済的自立や職域拡大を目的とした再就職準備講座や女子学生向けプログラムを開催したきたが、中でも起業講座は市民のニーズが高くいつも超満員である。巷では女性起業ブームといわれ、自分の能力を発揮したい女性たちの働き方の選択肢として「起業」が大きくクローズアップされてきた。雇用機会均等法が施行されてから10年、仕事を中断せずに働き続ける女性も増え、平均勤続年数も大幅に伸びてきた。それとともにキャリア志向も強まり、自ら起業を目指す女性が増加してきているようだ。

■起業支援あれこれ
 フォーラムでは講座だけでなく、情報提供やネットワークづくりなど、入り口プラス出口を考えた事業を展開している。95年度は受講者30人のうち既に9人が起業した。また、修了者の情報交換会などのネットワークも作られている。
◎起業創業講座
 年1コース8回の講座で自分の働き方を考えることから始まり、最終日に事業計画を発表するところまでをワークショップ形式で学ぶ。希望業種は企画調査会社や輸入雑貨販売、フラワーショップ、経理代行、お総菜店、と多種多様である。
◎「'94アジア女性起業家会議」
 94年秋には、横浜市女性協会と国連工業開発機関(UNIDO)、横浜市との共催で「アジア女性起業家会議」を開催した。ここで採択された「横浜提言」が95年秋に北京で開催された世界女性会議にUNIDOより提出された。
◎『女性起業の完璧マニュアル』発刊
 95年9月に、(財)横浜市女性協会編『女性起業の完璧マニュアル』(日経事業出版社)を発刊した。起業に際して一つ一つの過程で必ずいきあたる課題やそれを克服するために必要とされるノウハウをまとめた構成で。
◎起業相談窓口開設
 96年度から、情報提供・相談窓口を開設する。月1回の相談には担当職員と税理士や中小企業診断士などの専門家があたる。

■今後の展望
 女性起業家育成のために行政や民間で少しずつ支援策が生まれつつあるが、単発のセミナーで終わってしまうものが多い。セミナー、相談、融資、情報提供、ネットワークづくり等の必要な要素が有機的につながってはじめて支援と呼べるのではないだろうか。そのためには現在点在している支援策をつなぐ必要がある。労働省は96年度に女性起業支援のための「研究会」をスタートさせる。今後の国レベルの支援策の充実とともに、女性たちもブームに終わらせない実力を身につけることを期待したい。

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