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DATUMS 1996.05
社会人教育と地域に開かれる大学

桐木 逸朗  中央学院大学商学部教授・アクティブセンター所長

■きりき いつろう
 1930年鹿児島県生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科終了。労務研究所、健康保険組合連合会社会保障研究室、生産性労使会議調査研究部等を経て、73年から現職。


  当大学が「地域に開かれた大学」となるきっかけは、我孫子市教育委員会の要請を受け、平成元年に社会教育の一翼を担う「オープンカレッジ」を開設したときに始まる。当大学の建学の精神は「地域社会に貢献する大学」、「産業社会に寄与する大学」を標榜してきたこともあり、大学近郊地域社会の学習活動の拠点として、もっと積極的に大学の持てる知的資産や人材、施設を役立て、その成果を学生や大学にフィードッバクするためには、大学と地域を結ぶ多様な事業活動ができる専門機関の設立が必要であるとの結論に達し、地域と大学の双方に対して、「刺激と価値ある探求と思考を絶えず続けさせるための活動体」としての役割を担う「アクティブセンター(Active Center of the Thinking of the Incentive & Valuable Exploration)」を平成2年6月に発足させたのである。
  センターは、大学の持っている教育機能と知的蓄積と施設・設備を広く地域社会に開放し、生涯学習支援を軸とした多面的活動を通じて、大学の地域社会への貢献を促進し、大学に課せられた社会的責任をより積極的に具現化し、併せて大学の社会的存在価値を高めることによって、21世紀に向けて大学がより一層発展するのに寄与するための実践活動を行うことを目的としているのである。
  センターが現在実施している事業を大学と結びつけて示したのが別図である。その内容について説明することは紙面の都合上できないが、生涯学習支援のための「オープンカレッジ」はセンターの事業の一部であり、それ以外に多様かな事業を展開しているところに特徴がある。オープンカレッジも少人数(1クラス15名前後)のゼミナール方式を組み合わせ、論文執筆を義務付け、その論文は「アカデミア」に収録して受講生に学習の記念として配布している。
  また、大学学部の科目を社会人に開放し単位取得を目的とした「科目等修生」、単位取得を目的としない「科目等聴講生」、オープンカレッジの講座を一般に開放し単位認定に結びつく制度など、いろいろな工夫がなされている。
  その他隠れた生活文化の担い手に日をあてる「生活文化賞」、手賀沼浄化支援の「環境ルネッサンス」、地域福祉グループとの情報交換機能としての「ビッグ・バン」などの事業も地域社会から評価されている。さらにセンターの運営にあたり、活動のマンネリ化、惰性的傾向を防ぎ、絶えず新鮮な機能として社会に広く受け入れられる、高い評価を維持するために、大学の情報だけでなく、センターの事業活動の受け手である地域社会の主婦や一般学生を「アドバイザー」として参画させている点もセンターの特徴である。
  今後は出版活動、ボランティア支援、ヘルパー養成講座などを充実させる予定である。

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