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DATUMS 1996.06
神戸の声を日本の声に

たけしま さよ

■たけしま さよ
 1957年兵庫県生まれ。震災後神戸YWCA救援センターのボランティアの一員として、灘区・中央区のテント村を中心とした巡回訪問を続ける。オリエンテーション用にと描き始めた4コマ漫画「愛ちゃんのボランティア神戸日記」が思わぬ好評で、昨年9月に出版される。現在も執筆中。


  1996年5月5日、晴れ。
  ああ世間は連休か。エエ天気やわ。すっかり元の姿を取りもどした北野の異人館。新装オープンした三宮そごう。家族連れで賑わうハーバーランド、王子動物園。さて今日は私はどこへ行こうかな。10車線の国道沿いで、草木も生えない陸の孤島仮設か、2度目の夏を越すのが決定した公園テント村か。病人と年寄りだけで震災時のまんま片付いてない個人宅か。ああそうだ。待機所だ。ゴハンを作るのに雨の日でも運動場を横断しなきゃいけないあそこの小学校、そこの住人のNさんに会うんだった。一緒にイスタンブールに行きませんかって。どこって、トルコですよ。いや風呂やパチンコやのおて。6月に国連人間居住会議ゆうのがあるんです。そこでのフォーラムで、神戸の実情を訴えるんです。国の出すレポートだともう震災は片付いたみたいな調子なんですて。ほら議員さんたちは住専処理のことで頭がいっぱいやから。街には家が建たなくてサラ地だらけ、仮設では毎日のようにお年寄がひとりで死んでいくのにね。だから、たとえば仮設が抽選だったから人間同士のつながりがバラバラになってしまったこと、そもそも抽選が不公正だったこと、結局当たらなかった世帯が何百もあること、追いたてをくらって不便な所に行って生活に困ってる人が沢山いること、公団住宅に入るメドも自宅再建のメドも立たない人はもっと多いこととかを、世界中のいろんな人に知らせるんです。経済大国ニッポンで行なわれている居住権の侵害のことを。ほかのテント村や被災者団体の人達も一緒です。「神戸からの声」ゆうんですよ。カッコええでしょ。えっお金? 大丈夫。義援金10万円しか貰えんで貯金借金で食べてる人に出せなんて言いません。募金で集めるんです。誰からって、そりゃこの本読んでくれた人が……(沈黙)。ゴメンね、私のマンガが「セーラームーン」並みに売れてたら、こんな苦労はなかったんやけど。

 振込先:さくら銀行三宮支店
 普通6999978「ハビタット2参加準備会」/
 郵便振替01190-9-88740「被災地の声を世界へ」
 ●事務局:神戸YWCA救援センター TEL078-231-6201

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