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DATUMS 1997.05
環境は21世紀のキー・ワード

後藤 敏彦  環境監査研究会代表幹事

■ごとう としひこ
 1941年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業。92年から環境監査研究会代表幹事。研究会は「環境監査入門」(92年日経)等、年に一作程度共著で研究成果を出版。97年から滋賀県立大学で日本で初めての講座である環境監査論を担当。環境庁の環境カウンセラー登録制度推進検討委員会委員など。


  マスコミ等に企業がISO14001環境マネジメントシステム規格の認証取得広告を掲載していることなどもあり、環境マネジメントとか環境監査という言葉がようやく一般の人々に受け入れられるようになった。
  私が数人の仲間と環境監査の勉強を始めようとした1990年末にはISO規格は影も形もない時代で、一部の人から過激派と一緒になって企業を害する変なことを始めた、というような中傷をされたことを思うと今昔の感に堪えない。
  数回の勉強会の後、91年に環境監査研究会を設立したのは、企業の活動の有り様が地球環境問題を解決する一つの大きなキーとなると考え、研究、情報発信および交流の場を持ちたかったからである。
  ところで、サービス産業や金融業などの中には、いまだに地球環境問題というのは電力とか鉄鋼・化学等の製造業の問題で自分たちには関係ないと考えている人もいるようである。これは大きな間違いで、環境問題の加害者は我々すべてであり、被害者は我々および将来世代であることを早く認識する必要がある。
  なぜなのかをここで詳しく説明するスペースの余裕はないが、環境のことを認識していない、したがって、環境マネジメントシステムも構築、実行していない企業は21世紀には存続できないことは必至である。
  今年は京都で二つの環境関係の大きな国際会議が開催される。4月にはISO(国際標準化機構)の専門委員会TC207(環境マネジメント)の第5回会議が開催され、環境ラベルの規格がまとまりつつあるが、この中のタイプ?といわれるものはあらゆる業種の企業パンフや広告文言等についてきわめて大きな影響がある。
  もう一つは12月の地球温暖化枠組条約の第3回締結国会議(COP3)で、CO2などの温暖化物質の排出削減についての京都議定書が締結される予定である。先行き国内的には削減目標達成のため、環境税や自動車規制、その他の様々な政策や規制等すべての企業や組織に影響するものが検討されることになろう。これらに対応できない企業は社会的にもイメージが悪化し、存続はむつかしくなる。
  要は、いかに先取りして自主的に企業戦略に組み込み、時にはビジネス・チャンスにつなげるかが重要ということであり、そのための方策が環境マネジメントシステムの構築ということである。

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