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DATUMS 1997.07
コミュニティ・ビジネス・ネットワーク設立準備会がスタート

細内 信孝  (株)ヒューマンルネッサンス研究所主任研究員

■ほそうち のぶたか
 1957年生まれ。80年信州大学卒業後住信基礎研究所などを経て、94年より現職。川崎市区民懇話会委員、日本経営診断学会正会員、コミュニティ・ビジネス・ネットワーク事務局長。論文に「最適化社会に向けた変化・自在のコミュニティ論」(ヒューマンルネッサンス研究所機関誌、1995年)、「日本のテーマパークにおける事業成立要因」(日本経営診断学会年報、1994年)、「新しい時代の働き方・フレックスワークのすすめ」(住信基礎研究所機関誌、1994年)などがある。


  コミュニティを元気にする市民主体の地域事業、すなわちコミュニティ・ビジネスを応援するインターミディアリー機構の設立に向け、1997年3月30日(日)に東京のすみだ産業会館にて(仮称)コミュニティ・ビジネス・ネットワークの設立準備会が開催されました。その設立趣旨を以下に紹介します。

◇コミュニティ・ビジネス・ネットワークの準備会 発足にあたって
  現在の日本社会はあらゆる意味で構造転換の時期にあり、様々な矛盾、問題が至るところにあります。特に重要かつ基本的な問題は、コミュニティの衰退です。なぜならコミュニティは社会の基礎的単位であるからです。
  衰退コミュニティの再生すなわち「コミュニティの元気づくり」は、コミュニティの市民自身が本気で自らの状況の改善に取り組むときに成功します。コミュニティの市民自身が取り組むためには、そのための環境づくり――様々な情報提供やカネ、モノ、チエの支援、コミュニティの資源を活用するための公正な機会づくり――が重要です。大切なことはその支援により、市民自身の自立を助けることです。

◇「コミュニティを元気にするような事業(コミュ ニティ・ビジネス)」に着目しています
  「コミュニティが元気」になるためには、コミュニティの中で「事業」が成立し、適度な経済活動が展開され、市民が就業し経済的に自立することが重要です。私たちはこのような事業を「コミュニティ・ビジネス」という新しい概念として捉えたいと考えています。「コミュニティ・ビジネス」を提唱する意味は、日本で定着していない「コミュニティの元気」という考え方を広める契機とすることであり、また日本社会の構造転換の指針の一つとすることにあります。

◇コミュニティ・ビジネスを社会的に支援すること が、日本社会の構造転換につながります
  現在各地でコミュニティ・ビジネスと呼べる事業は数多く発生しています。しかし、従来の尺度では信用性が低い、融資の担保がない等の評価となり、なかなか起業および事業の継続が難しい状況です。このため、従来の中小企業施策やベンチャー・ビジネス育成施策とは違った支援の仕組みをつくる必要があります。

◇多様な主体のパートナーシップにより支援の仕組 みを実現し、社会的に大きな力としていきたい 
  私たちはこの仕組みのあり方について1995年度から調査を開始しました。主に大都市既成市街地としてこうした問題が鋭く立ち現れている東京都墨田区をフィールドとして、コミュニティ・ビジネス的な事例の収集、ネットワークの形成および支援の試みを行ってきました。
  今後、私たちはこの仕組みを多様な主体(行政、民間企業、市民、専門家、大学、研究機関等)のパートナーシップによりつくりあげ、コミュニティ・ビジネスの重要性、公正な機会と支援の必要性を、社会的な機運のなかで盛り上げることが必要だと考えます。

◇コミュニティ・ビジネス・ネットワークへ参加を
  私たちはこれまでの活動を広げ、より大きな輪にしていきたいと願っています。コミュニティ・ビジネス・ネットワークヘのご参加をお待ちしております。

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