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DATUMS 1997.09
基本は「市民の声の政策化」

安井 栄二  「21世紀政策構想フォーラム」事務局長

■やすい えいじ
 1940年広島市生まれ。67年中央大学商学部卒業後、日本NCR社、(株)内田洋行で貿易業務に従事。72年から社会党本部政策審議会、国際局で活動。89年社会党国際部長。91--92年米国のジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員研究員。参議院議員政策担当秘書を経て、96年から現在の「21世紀政策構想フォーラム」事務局長。


  「21世紀政策構想フォーラム」は市民の声の政策化をめざして昨年8月30日に設立された政策形成機構(シンクタンク)である。現在、政治・経済・社会・国際関係の学者・専門家と国会議員を含め90名の会員によって活動が行われている。会の代表は石川真澄氏(新潟国際情報大学教授)、岸本重陳氏(横浜国立大学教授)、進藤榮一氏(筑波大学教授)であり、進藤氏が代表世話人として活動している。会員の資格に特に制限はなく当フォーラムの設立趣旨と会則を承認して頂ければ誰でも入会できる仕組みになっている。
  「21世紀政策構想フォーラム」の活動は、(1) 定例の「政策研究オープン・フォーラム」の開催、(2) 経済、社会・法律、国際、政治・理念など分野別政策プロジェクトによる政策形成活動、(3) 機関誌「ポリシーフォーラム21」の発行が柱となっている。「政策研究オープン・フォーラム」は当フォーラムの会員と超党派の国会議員を中心に行われており、(4) その時々の内外情勢の動きに対応して人々が関心を持つテーマが設定され、(5)報告者による報告が行われ、(6) その報告に基づき出席者間で討論を行う、という形で進められている。この「オープン・フォーラム」は昨年9月にスタートし、これまで立法システム、経済改革、日本の法制度改革、日米関係、政治改革、米議会と対日政策、英国政治と労働党の勝因などをテーマに報告と討論が展開されてきた。21世紀政策構想フォーラムは特定の政党や団体に所属しない独立したシンクタンクで、国会議員へのオープン・フォーラムの出席案内はすべての議員に対して送付され、誰もが参加できるようになっており、これまで回を重ねるごとに出席者が増えている。
  また、オープン・フォーラムと並行して当フォーラム内の「政策プロジェクト」が政策作成作業を行っており現在「経済」「法律」「国際」の3プロジェクトが稼働中で、まとまり次第機関誌等で発表する予定である。
  当フォーラムの活動の特徴は、まず第一にその政策形成が「市民の声の政策化」を基本に行われているということである。「市民の声の政策化」とは人々が常に「こうなってほしい」、「こうしてほしい」と思っていることを実現すること、人々の希望・願いを現実のものとするための方策を考え文章化する作業を行うことである。「生産者本位の政策を生活者本位の政策に」変えることは宮沢内閣以来の政府の方針となっているが、実際は相変わらず生産者中心に政治、経済が動いており、こうした状態を根本的に転換して、市民・生活者本位の政策を打ち出すことがこのシンクタンクの基本スタンスである。
  第二にこのフォーラムは議会関係者と専門家、市民が相互の討論や意見交換をしながら新たな政策づくりを行っていることである。意見の違う人々が集まって徹底的に議論しお互いに持っている主張、理論を強化する中で良い政策が生まれ、それが議会を通じて実現することをめざしており「政策研究オープン・フォーラム」も国会の議員会館で行われている。
  第三に、当フォーラムは常に国際的視野を持ちながら物事を考えているということである。狭い日本の垣根の中で、そこでだけ通用する主張、政策をつくるのではなく、国際的に通用し、各国の国民の生活にも寄与し、他の国々の人々が喜び歓迎する政策をつくっていきたいと考えており、海外の人々とも意見交換を行いながら政策づくりを進めている。
  また、こうした政策形成作業には事務所の確保、人件費、資料購入費、通信費、会議費など多くの経費がかかる。そのための資金をどう調達するかがシンクタンクの重要な活動であり、現在、会員の手弁当的参加で運営されている当フォーラムの財政面での強化が今後の重要な課題となっている。
  21世紀に向かう日本と世界の政策づくりの作業に、皆様のご支援とご協力を心より期待したい。

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