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DATUMS 1998.10
商店街発! 官民で再興にかける

北川 實  (有)北川商店代表取締役

■きたがわ まこと
 1948年上川町生まれ。71年日本大学経済学部卒業。(有)北川商店入社、85年代表取締役に就任。ホテルノーザンロッジ取締役社長、層雲峡開発(株)副社長、上川中部消防組合層雲峡分団長。


  層雲峡温泉は、大正時代に開かれた温泉地で、昭和29年に国立公園の指定を受けた大雪山国立公園の玄関口として、昭和40年代の最盛期には旅館・民宿・飲食店・みやげ物店が40店舗を数える北海道を代表する観光地として栄えてきました。
  30数年が経過した昭和60年頃には、廃屋、空家店舗の存在により見るからに魅力の少ない商店街へと変貌し、街並みを歩く観光客も激減していました。このままでは、当地を訪れる観光客へのサービスを低下させることはもちろん、我々の経営基盤も危ぶまれる状況に至ると、地域の仲間と一大決心し、環境庁、上川町に相談したことから、3者による再整備計画がスタートしました。これが山岳公園都市の形成を目指す「上川・層雲峡圏プラン65再整備計画」です。「プラン65」とは、昭和65年に事業着手を目指したことから付けられました。
  我々は層雲峡市街地区プラン65実行委員会を21名の権利者で組織し、先進地(カナダ・ウィスラー)視察をはじめ、数十回の会合を行うなど、事業実施に向けて努力はするものの、事業手法を見い出すことができず途方にくれていました。そんな折り、我々の積極的な姿勢に、上川町では庁内プロジェクトチームを編成し、我々の事業手法の検討作業に入っていただき、官民合同の先進地(長崎県雲仙)視察を実施することが出来ました。また、事業手法に建設省再開発事業優良建築物等整備事業を誘導していただき、平成7年度より事業着手に結びつけることが出来ました。
  事業手法が決まれば計画はとんとん拍子に進み、環境庁には地域の中央部を縦貫する道路を「中央プロムナード」、博物館を「ビジターセンター」「園地」として、また上川町には、地域の外周道路を「層雲峡環状線」として整備していただけることになったのです。
  我々の施設整備(優良建築物等整備事業)は、再開発会社(層雲峡開発株式会社)を設立し、施設建設に当たったわけですが、景観環境形成チーム、施設の設計チーム、地区の運営・プロモーションチーム、再開発全体のコーディネートチームのコンサルタント5社がJVを結成しました。それぞれの会社の壁を乗り越え、あたかも1企業であるかのように連携を密に当事業の成功に向けて努力してくれたことも、無知な我々には最大の助け舟となったものです。
  特に、国立公園内の建物は色彩、高さ等々が公園管理計画に合致したものでなければなりません。しかし、当該事業の採択要件は必ずしも管理計画に合致するものではなかったのですが、景観環境形成チームは我々の代理人である設計者と環境庁をコーディネートする役割を担い、従前の管理計画を協定の自主的締結することにより一部緩和させることを導きだしたのです。
  また、上川町には、地域の中心集客核施設として、公衆浴場を整備してもらうことを要望し、当該事業で建設される建物を取得してもらうこととしました。
平成10年8月末には11棟の建物が竣工し、それぞれの権利者に引き渡され、営業を開始しています。
  官民が一体となった国立公園の再整備事業は全国初と注目されていることからも、日本を代表する自然環境に調和した山岳公園都市を創造し、北海道を代表する自然探勝の拠点として滞在型観光地を目指しているのです。建物は一新されたが接客態度は従前同様と言われないように努力することが、当プランに共同体としてバックアップをしていただいた環境庁・上川町に対して最大の恩返しになると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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