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DATUMS 1999.04
ネットワークが新製品を生み出す

長 保行  異業種交流会「ベンチャーズ」代表

■ちょう やすゆき
 ニューロング工業株式会社代表取締役社長。異業種交流会「ベンチャーズ」代表。


  ベンチャー企業という言葉は、厳しい状況下の中小企業を励ますためにつけられた言葉のように思う。1年前に我々の先輩の企業で、ネジの製造販売を営んでいたが、新製品の開発に明け暮れているうちに倒産してしまった会社がある。仲間の中には金を貸していた会社もあった。我々のグループもそれぞれに悪戦苦闘をしているのが現状だ。
  我々の異業種交流会「ベンチャーズ」は、葛飾区や商工会議所が中心となって中小企業を集めてつくった三つの交流会の一つであり、現在30社で構成されている。その成り立ちから、当初は情報交換、親睦が主な活動であったが、この不況の時、製品が売れなくなっており、我々の生き残る道は、新しい商品を生み出していく以外に手だてはないと考えた。もともと製造業のたくさんある地域ということもあり、仲間で製品をつくることに発展していったのだ。そこで仲間で力を合わせて新製品を開発し、設計、製作、販売など、各社の得意な分野を担うこととなった。
  先輩の会社の轍をふまないためには、つくった商品が売れていかなければならない。幸い我々が開発した「アライマン」が好調である。これは超音波と専用洗剤の相乗効果でしつこい油汚れや頑固な油のこげつきを落とす機械で、もともと超音波を使ったメガネの洗浄機のアイデアを応用してつくられたものだ。現在のものは3代目となり、さらに新しい機種を模索している。
  なぜこの「アライマン」が順調なのか、考えられるのは、この機械が、省力化用の機械であり、一番嫌われる汚れ仕事をするための機械ということもあるが、仲間の会社が、販売を担当し、「アライマン」を売ることを商売にしていることがあげられる。さらに、設計ができる会社、ステンレスの加工を得意とする会社など、製作を担当する会社が揃っており、会社どうしが共通の目的に向かって手をつないだことも大きな力となっている。
  この「アライマン」のほかに「灯火」「アラカン」「バスケワゴン」など多くの商品を生み出してきたが、持続させるためには製品の販売が継続的に行われなければならない。ご仏壇用ライターの「灯火」は仏具の製造販売の会社が販売を担当してきたが、単価が安く、大量に販売するルートがないため、伸び悩んでいる。
  現在の不況の影響で、各社とも製造する余力はまだまだあるが、「どの商品が売れるのか」「どうやって売ったらよいか」いつもここで立ち往生してしまうのだ。
  これを打破するためにも仲間の輪を広げようとしている。いままで葛飾区内に限っていたメンバーの枠を広げ、区外の新宿区からの参加者や、千葉県の会社の参加、またコンビニ関係に販売ルートをもつ会社などもメンバーに加わっており、少しずつ広がりを見せている。
  今年の1月4日に「ベンチャーズ」の活動がNHKで紹介されてから、北は札幌の会社から新潟の個人など、多数の反応があった。特に新商品のアイデアについて多くの意見がだされ、マスコミの力には驚いている。我々はこれらを一つずつ検討し、「どうやって売ったらよいか」を念頭に、新しい製品の開発をすすめていきたいと考えている。製造についてはプロが揃っているので、このコラムを読まれているみなさまの中でアイデアをお持ちの方は是非ご連絡下さい。

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