九地協サマーセミナー2000:パネルディスカッション 
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九地協サマーセミナー2000:博多より、バリアフリーを考える
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■実地検証に参加して
講師:山下 恭平 氏

久留米大学講師
(右からお二人目)
山 下  実地検証のときも敢えて申し上げたのですが、バリアフリーはハードが完璧になったとしてもソフトがなければ意味がありません。逆に言えば、ソフトさえしっかりしていればかなり対応できるということです。そのソフトには2種類あると思います。一つは、要介護的ないわゆる障害者のマインドといいますか、いわゆる体験からくるもの。それともう一つは、皆さん方が仕事を通じて培ってきた接客のノウハウです。この2つをもっとうまく混ぜ合わせて欲しいなあということを感じました。
  例えば、ストロー。私のように手が不自由な者にとって飲み物を飲む時ストローは非常に便利です。しかし、同じ液体であってもお冷やにはストローはついてきませんね。さりげなく一緒に出していただくだけでいい。「ストローをお使いになりますか」などとは言われない方が気が利いているなあと感じます。逆の意味での笑い話ですが、かつて和室の宴会場で車いすの私に料理の箱善を積み上げてくれた旅館がありました。6段ぐらい積み上げてちょうど私の高さ(笑)。確かにバリアフリーには違いないのですが、、、。何が気の利いたサービスなのか、そのあたりは是非知恵を絞っていただきたいと思います。

講師:樋口 芳子 氏

『希望の
の会』会長
(写真中央)
樋 口  私は博多駅からスタートしてバスに乗り継いだのですが、まだまだ点と線が繋がっている状況ではなかったというのが率直な感想です。やはり駅にはエレベーターをつけて欲しいし、バスに至っては車椅子マークがついているだけに等しい状況でした。サミットも開かれるような国際都市なのですから、利用されるのが当たり前といった前提で設計がされていて然るべきだと思いました。
  一方ホテルについてですが、チェックインの際、車いすではフロントの高さに届きませんので「宿泊者カードは、代わりにお書きしましょうか」と尋ねられました。私のように自分で記帳したいという方も大勢いらっしゃると思います。今回はバインダーを使って書かせていただきましたが、最初からそのような選択肢を用意していただけたらなと感じました。また、介護者が同行する場合、ともすれば介護者だけに問いかけがちですが、あくまでも宿泊客のメインは障害者であることを忘れないで欲しいですし、障害者を子ども扱いするような言葉で話すのではなく、同じように尊重して言葉を選んでいただければと思います。他には、ホテルの分厚い絨毯は車いす利用者にとっては泣き所でして、単独での宿泊客には「押しましょうか」と一言声をかけていただけると助かります。

講師:大原 明彦 氏

九地協議長
(写真の一番右)
大 原  私が最も気になったのは、JR博多駅での接遇の悪さです。私たちのグループでは、最初に車いすで博多駅を訪れたのですが、どこで改札してもらえばいいのかがわからず迷ってしまいました。駅員の方が改札の周りに5人ほどいらっしゃるのに、ただこちらをじっと見ているだけで、声をかけようともしない。結局、こちらから聞きにいって初めてわかったという始末です。その後も同じようなことの繰り返しで、明かに困っているという状況でも積極的に声をかけてくれない。おそらく我々が駅の使い勝手を検証しているということに気付いたということもあるのでしょうが、障害者の方が同行していたのは事実ですし、憤りすら感じる場面もありました。駅だけが不慣れということではありませんが、博多を訪れる個人や小グループ観光客にとって最も利用頻度の高いのは博多駅だと思います。そのことを考えると、ホテルのフロントと同様、博多へのゲイトウェイとしての駅が旅行全体に与える影響の大きさを痛切に感じました。
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