レジャー研2003:講演「温泉旅館“勝ち組”の条件」
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温泉旅館「勝ち組」の条件〜深化する宿泊目的、進化し続ける旅館〜
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講師: 井門 隆夫 氏

ツーリズム・マーケティング研究所(JTM)
主任研究員
□プロフィール
  JTBにて国内旅行政策・商品企画・CSアンケート設定等を担当後、小樽商科大学共同研究員、サービスクォリティ研究所の設立(2000年)を経て、2001年より現職。
  新聞でのコラム・取材記事でもおなじみの、宿泊コンサルタント。JTMでは、観光地の活性化や再生支援も手掛けている。
  また自ら設立したサービスクォリティ研究所では、宿泊施設向けに、サービスのレベルアップやインターネットマーケティング等をアドバイス。ほかにもALL ABOUT Japanの「日本の宿」ガイドや全旅連アドバイザーを務めるなど、幅広く活躍中。




■旅館の現状はどうなっているのか

  (株)ツーリズムマーケティング研究所主任研究員の井門と申します。
私は主に、宿泊施設の経営診断や再生支援などを手掛けています。本日は「温泉旅館『勝ち組』の条件」と題して、旅館再生に向けた具体的事例を、レジャー研のテーマである「シングル社会のツーリズム」に関連づけて見ていきたいと考えております。
 
 最初に、旅館の現状についてお話しします。
 
 旅館の多くは、少額の資本金で設立できる有限会社か、株式会社であっても最低資本金の一千万円といった、比較的資本の小さいところばかりです。手持ちの資金が少ないため、設備投資などは銀行からの借金に頼ってきました。そのため、バブル崩壊で資産価値が下落すると、軒並み債務超過に陥りました。現在では日本の旅館の8割以上が、債務超過と言われています。
  そのような状況ですので、借金の返済や日々の運転資金確保のために、徹底したコスト削減に取り組んでいます。
 
 最大のコストは人件費ですが、人が命のサービス業では、人員削減は命取りになりかねません。しかし、多くの旅館で人を減らしてしまいました。さらに、給与カットによって、残された従業員のモチベーションも低下しています。加えて人材の流失は、マーケティング力不足を招きました。マーケティングができなければ、旧態依然とした営業を続けるしかなく、宿泊単価の下落による売上高の減少といった悪循環に陥ります。
 
 そのような旅館に対し、銀行や投資会社は、資産や事業力の評価を行い、各旅館が再生可能かどうか見極めようとしています。そこで再生不可能と判断されれば、淘汰されるしかありません。
 
 旅館再生のためには、なんといっても売り上げ増が欠かせません。そのためには旅館自らが、どのようにマーケティングしていくがが、鍵になるのです。
 
そこでクローズアップされてくるのが、マーケティングのポイントをどこに絞るかです。考えられる課題とその対応策について、順次説明していきます。

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