レジャー研2003:プロジェクト報告
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“シングル社会のツーリズム”〜21世紀初頭の社会潮流と旅行業の視点〜
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報告者: 冨沢 美津男 氏

近畿日本ツーリスト労働組合

□プロフィール
  近畿日本ツーリスト労働組合中央執行委員。2001〜2002年度サービス連合旅行業政策委員会にて座長を務める(プロジェクト座長)。元RIC事務局次長(1998年度〜2000年度)。


■プロローグ

 「旅行会社の存在意義が問われている」――当プロジェクトはそんな危機意識からスタートしました。“まとまったお金の使い道”“余暇の過ごし方”等に関する各種アンケート調査結果では、生活者の旅行意欲は、常に上位に位置しています。また、最近では国をあげて観光振興に力を入れるなど、追い風も吹いています。では、どうして冒頭のような危機意識が拡がっているのか。その背景を、2つの側面から考えてみました。
  まず、「旅行商品」という側面からは、旅行会社が考える旅と、生活者が考える旅との間にミスマッチが生じていることが考えられます。生活者の日常が変化し、旅に求める“非日常”も変わっているのに、旅行商品がその変化に対応しきれていないのではないかということです。
  また、「旅行会社の競争環境」という側面では、次のような状況が考えられます。
  まず、旅の目的や動機をかなえてくれる代替品が増えていること。また、オンライン販売専門業者などの新規参入による業界内の競争の激化や、サプライヤーによる直販が拡大していること。さらには、生活者・消費者の情報力が高まり、買い手としての交渉力が強くなっていることなどです。
  しかし、以上のようなことは、旅行業界だけの問題ではありません。あらゆる産業が単純な商品改良では済まされない業態変革を迫られているというのが実態でしょう。
  昔から“困ったときは成功者に学べ!”“分からないことは消費者に聞け”ということで、様々な実践セミナーなどが開催されていますが、ともすれば「あの人だから出来たんだ」で終わってしまうケースもしばしば。それよりも、成功者のライフスタイルやコミュニケーション範囲といった、ビジネスとは直接関係ないバックグラウンドにこそヒントが隠されているという視点も重要です。そして、それは異業種研究ということにも繋がってきます。そこで、私たちの産業は何を生業としているのかを再検証するためにも、一旦業界から離れた視点で、生活者・消費者の意識・行動の変化や、それらに対する異業種のアプローチを分析し、その上で次世代における旅行業のビジネスモデルのあり方を探る。そんな目標を掲げながら当プロジェクトを進めることとしました。
  プロジェクトの具体的な進行手順は、以下の通りです。
(1) 21世紀初頭までの社会・経済環境の変化に繋がるトレンドを暫定的に選定し、1年間の新聞・業界誌等から、主要な記事を抽出・分類分け
(2) 旅行業の経営環境分析・レクチャー受講(立教大学・佐藤教授)
(3)
トレンドとポイント整理
(4)
生活シーン、産業・企業シーンの側面から、上記トレンドを再整理
(5)
(4)のトレンドに対する旅行業、観光周辺産業の現状と課題を整理
(6)
以上をもとに、旅行業の今後の視点と次世代ビジネスモデル・コンセプトを提言
 それでは、報告書の内容について順を追ってポイントのみ報告させていただきます。


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