沖縄観光フォーラム'95:パネルディスカッション 
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観光客は何を望んでいるのか――沖縄振興への観光産業の可能性
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高橋

司会:高橋 均
レジャー・サービス連合副委員長
□パネリスト
  大城 栄禄 氏 (オキナワコンベンションビューロー事務局長)
  小濱 哲 氏 (名桜大学国際学部観光産業学科長・助教授)
  新城 和博 氏 ((有)ボーダーインク編集長)
  田島 利夫 氏 ((株)地域開発研究所代表取締役)
  外間 義男 氏 (連合沖縄ホテル部門連絡会議長)

司 会
  高橋 均 (レジャー・サービス連合中央執行副委員長)

司 会  近年、海外旅行の大幅な伸びに対して、国内観光の空洞化が懸念されています。とりわけ、観光を主幹産業とする沖縄では、観光周辺産業に携わる経営者はもとより、働く者も伸び悩む沖縄観光の将来に強い関心を寄せています。そこで今シンポジウムでは、沖縄を訪れる観光客の動向や県内地域振興の事例などを通じた沖縄の魅力の再検証と、その継続的な発展に向けた課題の整理を行いつつ、沖縄観光に直接携わる者が担うべき役割やネットワークのあり方等について議論を深めてまいりたいと思います。まず、沖縄の観光振興に行政の立場から長年携わっていらっしゃいます大城さんに、沖縄観光の推移と現状の課題について、ご意見を伺いたいと思います。



大城氏

講師:大城 栄禄 氏

オキナワコンベンションビューロー
事務局長
■沖縄の観光リゾートとしてのブランド化を

大 城  皆様ご承知のように、沖縄観光は、本土復帰後の国際海洋博覧会の開催(昭和50年)を契機とした交通網の整備を皮切りに、その後の航空各社キャンペーンや民間投資による海浜リゾート施設の拡充などを通じて順調に発展してまいりました。しかしながら、バブル崩壊後は一変して厳しい局面に立たされ、以降、コンベンション、スポーツ関連イベント等の新たな要素を加えつつ、沖縄の地域特性を活かした具体的な観光振興アクションプランの実施に全力を傾注しているところであります。こうした観光振興は県民所得の向上や雇用の創出拡大という面で積極的に捉えるべきことであり、観光産業は県経済のリーディング産業として位置づけられてもいます。ただ、県民挙げて観光振興にあたるといったコンセンサスは得られているのか、また受入体制の整備はどれだけ進んでいるのかという点で努力不足は否めず、沖縄をアピールする立場としては迫力に欠けているのが実情だと感じています。
  こうした実情を克服するための課題としては、まず沖縄の観光リゾートとしてのブランド化があります。沖縄のライバルと目されるハワイ、シンガポール、グアム、バリ島などの海洋性リゾートと互角に張り合うためには、沖縄でなくては感じることのできない感動の演出、或いはイメージづくりが必須です。特に、魅力ある個性豊かな美しい町づくりに向けた、町並みや自然の整備に対するこだわりが最も重要なことだと考えています。同時に、文化施設やアミューズメント施設などの整備も必要です。現状でも、個々の開発や整備は行われてはいますが、ホテルの集積やリゾートタウンを含め、いわゆる複合的なリゾートを作り上げるには至っていません。
  次にホテルの質と量の問題があります。最近顕著に見られるホテル客室の低価格志向は、県民の所得や雇用の創出という面で非常に悩ましい課題を呈しています。沖縄におけるホテルの数は、ライバルと目されるハワイ、グアム、シンガポール等に比して非常に少ないのですが、その量的な拡大を図るにしても、他の主要海外リゾートにも見られるようなホテルの面的集積と話題性のある質の高いホテルを中心に「差別化・多様化」といったかたちでバリエーションをもつ必要があるのではないでしょうか。特に、低価格志向の海外を視野に入れて、県民の所得向上・雇用の創出に寄与することができるような差別化による個性豊かな高級リゾートを作り、ターゲットとなる客層を絞り込んでいくことがキーポイントだと思っています。
  一方、ソフト面での課題も忘れてはなりません。いかに県民のホスピタリティーを高揚させていくかという点で、「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会」を中心とした県民挙げての運動を、今後はより活発に展開していく必要があると感じています。そして、琉球舞踊や琉球民謡、グルメ、ファッションなど、五感に訴える全てのものの中に、沖縄としての「こだわり」を如何に示していけるかが今後の課題であると思っています。

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