沖縄観光フォーラム'95:パネルディスカッション 
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観光客は何を望んでいるのか……Page:>>>>5>>

司 会  4人のパネリストの方々から様々な角度からの沖縄観光に対する問題提起をいただきましたが、ホテル産業従事者のお立場から、外間さんはどうお考えですか。
■官民一体となった観光教育プログラムの開発を

外間氏

講師:外間 義男 氏

連合沖縄ホテル部門連絡会議長
外 間  私自身、15年間この業界に携わってきましたが、客層や競合関係など、取り巻く環境にはかなりの変化が見られます。
  まず、客層の中心が新婚旅行のカップルからリピーターや若者へと移り、そこから派生するものがあります。ホテル内の高い施設は利用せず、素泊まりだけというパターンが多くなりました。また、レンタカーの利用客が多いのですが、道がわかりにくいとの苦情を私たちに寄せることが多く、大変困っています。さらに、最近では海外旅行との競合による客室料金の値下げ合戦の過熱化があります。旅行業法改正を見据えたときに、格安な商品を乱造することも難しく、何よりも私たちの労働条件を考えたとき、将来に対する不安は拭いきれません。
  こうした状況からも「青い海や青い空」だけに依存した商品づくりの限界を痛感しています。他の県とは異なった気候とか風土、特異な歴史・文化など様々な沖縄独自の特徴はあると思いますが、これからのキーワードとして考えているのは「長寿」や「健康」です。そのような切り口から沖縄観光を考えることはできないかと思っています。もちろん、こうした新たな発想を生み出すにはホテル産業だけでは限界があるので、広く観光業界に働くものとして、お互いに知恵が出し合える機会をもっと作ることが出来ればと考えています。同時に、県に対しても現在開催されている「大琉球・まつり王国」のような一大イベントの企画を今後も継続して開催して欲しいと思っています。大型イベントによる大量の観光客誘致には色々と問題もあるかもしれませんが、今のところはこうした仕掛けがないと、観光客もなかなか来てくれないのかな、というのが本音です。
  一方、受入側として働く私たち自身の問題もあります。一つには、沖縄の特異な文化や歴史に触れたいとするお客様に対して、簡単な質問にも対応できないホテルマンが多いという実態があります。また、タクシーの乗務員の方々の態度を巡るトラブルといったこともよく耳にします。個々の企業内での社員研修をより一層充実させていかなければならないことは当然ですが、官民一体となった教育プログラム、或いは県全体での観光に対する教育の標準化といった対応策がないと、受け入れる側としての体制づくりはなかなか進展しないのではないでしょうか。ホテル内部のことに留まらず、全てのトラブルをクレームとして受けざるを得ない立場として、このことはいつも感じていることでもあります。
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