楽しくわかるニッポン通訳案内--No.15 (和訳バージョン)
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中山 幸男
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  暮れからお正月にかけて外国人と一緒だと、案内することが普段よりもずっと多くなる。この時期、街でよく見かけるのが正月飾りの数々。「門松」は、New Year's pine decoration(新年の松飾り)、「しめ飾り」はNew Year's festoon(新年の花綱)のようになる。festoonという語はもともと、「花や葉をリボンなどとつなぎ合わせてしめ縄式に飾るもの」のことをいう。
  もう少し詳しく説明するなら、「門松」は、

 It consists of pine, bamboo and plum branches, which symbolize longevity, happiness and prosperity.
 (和 訳)

  のように言うことが可能。「しめ飾り」については、

 Its decoration consists of a twisted straw rope, fern leaves, an orange and other auspicious items. It's placed above the front door during New Year's holiday.
 (和 訳)

  のように付け加えられる。
  ちなみに、日本ではクリスマスが終わるとお正月に備えて大掃除。ツリーもすぐに片づけるが、知り合いのイギリス人に聞くと、英国では事情がずいぶんと違っていて、クリスマスの飾り付けなどは、年を越してお正月を迎えてもそのままだったりするそうだ。大掃除の習慣も、spring cleaningといって、年末よりも春先の掃除のほうが大がかりにやるという話である。


  大晦日に恒例の「除夜の鐘」はwatch-night bellでいいだろう。ちなみに、西洋の教会で大晦日に行われる夜の礼拝は、watch-night serviceと呼ばれる。watch-nightとは「真夜中まで続く」という意味である。
  鐘をつく数については、

 Buddhism teaches that people have 108 evil passions. The bell is struck 108 times on New Year's Eve to get rid of them.
 (和 訳)

  のような説明をするとよい。
  「年越しそば」は、New Year's Eve noodles(大晦日のおそば)のように表現することが可能。そして、

 It's a tradition to eat noodles on New Year's eve.
 (和 訳)

  のように紹介する。「〜をするのが習慣です」はIt's a tradition to 〜.という言い回しを使うと便利だ。What's the significance of that?のように、そばを食べる習慣の意味合いについて尋ねられたら、

 The long buckwheat noodles symbolize longevity.
 (和 訳)

  のように答えればいい。これは理由がシンプルなのでわかってもらいやすい。
  なお、年越しそばのことを説明しているときに、 Happy Noodle Year!としゃれた外国人がいて、思わず吹き出してしまったことがある。


  おせち料理(New Year's dishes)やお雑煮(New Year's soup)は、先の「門松」や「しめ飾り」と同様、New Year's 〜を使って言い表せる。
  おせち料理には黒豆(black beans)や昆布(kelp)などが含まれているが、「豆はマメ(健康)に暮らせる」とか、「昆布はヨロコブ」といった具合に縁起がいいものとされるからだ。こうした日本語の語呂合わせを英語にするのはなかなか難しい。同じ縁起のいい食べ物でも伊勢エビの説明はその点、やりやすい。

 The lobster has a bent back, and we hope we may live long until our backs are bent like a lobster's.
 (和 訳)

  のようになる。
  お雑煮については、

 Each family has its special variation, but most contain rice cakes, kamaboko slices and vegetables.
 (和 訳)

  のように説明するといいだろう。kamabokoと言っても通じなければ、fish-paste cake(魚のすり身を固めたもの)のように言い換える。
  さて、普段は神社や仏閣に縁がない人でも、初詣となると話は別である。日本リサーチセンターの調べによると、なにしろ全国で9000万人近くがお参りに出かけるという。その「初詣」の説明はthe first visit to a shrine or a temple in the new year(新年に初めて神社や寺院にお参りすること)のようになる。参拝者数ナンバーワンの明治神宮については、

 During the first three days of the new year, Tokyo's Meiji Shrine alone is visited by 3 million people praying for good fortune in the year ahead.
 (和 訳)

  のように説明できる。大変な人混みなので、拝殿の賽銭箱に近づくのも一苦労。遠くのほうからお賽銭を放り投げる人が多いので、柱にはその傷跡が無数に残っている。今度、出かける機会があったら、ぜひチェックしてみてはいかが? 外国人にこの柱の傷を見せるといつもびっくりしている。
  「七福神巡り」については、a pilgrimage to the Seven Gods of Good Fortune(七福神の社寺を巡ること)のように言ったあと、

 Early in the New Year, people make the round of shrines and temples dedicated to these dieties in order to pray for prosperity and happiness.
 (和 訳)

  のように説明するといいだろう。
  それでは、来る2006年が皆様にとってよい年になりますように!