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【自家製のソーセージづくり】

自家製ソーセージづくり1




【ササカづくりの様子】

ササカづくり1

ササカづくり2
■“知られざる”オーストリア料理あれこれ

 さて、何度も何度もオーストリア料理と書いてしまった。欧州料理の中でもドイツのソーセージ、フランスのこってりソースの料理、イタリアのパスタなどと違い、マイナーなオーストリア料理。料理名をあげることのできる人が、はたして何人いるだろう。
 オーストリアの首都ウィーンの名をとった料理、ウィーナー・シュニッツェルならご存知だろうか?叩いて薄くのばし、塩、こしょうした子牛肉を、小麦粉、溶き卵、パン粉の順にくぐらせて、ひたひたの油でジクジクとあげたものがそれだ。これにフレンチポテトを添えると、レストランで定番のお子様ランチの出来上がりとなる。
 私の住む辺りには、この地域の昔ながらの料理が今も残っている。冬が厳しいので、脂っこいものもかなり摂る。
 冬になると、多くの家庭が農家から豚を買い、自家製のソーセージを作る習慣もある。この場合の豚とは、屠殺して毛、毛、目、内臓を取り除いたもので、いわゆる丸ごとである。運ばれてきた時は、まだ温かかったりする。
 このソーセージ造りは結構な重労働なのだが、なんとこれが主婦の仕事なのだ!我が家でも12月の恒例行事で、有り難いことに、我が家では、戦後スイスの肉屋に出稼ぎに行っていた義父が先頭を切って立ちまわってくれる。
 以前は豚を一匹買っていたが、最近は縦に半分のみ。捨てるのは皮と骨ぐらいのもので、その他は様々な食品に変化する。私でも口にできるソーセージとハムの他は、ササカ、グラマラン、マイジャラン、ブーラ、ラード、レバーペースト、べーコン等だ。
 ササカとは、ほとんど脂身だけの座布団大のばら肉の塊に塩、こしょう、おろしたにんにくをすり込み何日か寝かせた後、二週間ほどいぶしてから最低三週間は涼しい場所にぶらさげておいて、ひき肉と同じ要領でひく。これを塩、にんにくで味を整えたら、手でシッカリと混ぜ合わせて出来上がり。この白い代物を、皆さんバターと同じように黒パンにたっぷり塗って召し上がる。
 グラマランはラードをとる際に残るカスで油ギトギトなのは言うまでもない。マイジャランは茹でた内臓と頭部や足などについている肉をひいて混ぜ、調味したもの。ブーラは塩、こしょう、ミントなどで味付けした血と麦の炒め物。
 ちなみにササカとブーラはドイツ語とは全く語源を別にする方言であり、スロベニア語に一番近いスラブ系の言葉なので、この地域を出ると、オーストリアでは理解してもらえない。
 そのササカだけは、私も使うことがある。サワー・クラウトを煮こむ前に玉葱を炒める時と、春の味覚のタンポポのサラダのドレッシング用だ。
 私はタンポポの葉のサラダに目がなく、春がきて若芽がふきだすと、なりふりかまわずタンポポの葉を集める。とても時間がかかるが、食欲のためなら文句も言っていられない。ナイフで土の中の根の上部を刺して採る。このほろ苦い根っこがちょっぴり入っていると美味しいのだ。何度も水を取り替えて丁寧に洗い、土やごみを取り除いたら適当に切ってボールに入れる。片手鍋にササカを入れて熱し、脂が溶けてほんの少し入っている肉のカスがカリカリになったら酢を加え、ジュッといったら一口大に切ったホカホカのジャガイモをのせて塩を振ったサラダにかけて混ぜ合わせる。シーズン中は毎日でも食べてしまうのだが、脂が気になり普茸茶を流し込んで締めくくる。
 尚、大抵の植物は日本のものが軟性で欧州のものは硬性だが、タンポポは逆らしいので、日本のタンポポの葉で試したら歯ごたえがありすぎるかも……。
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