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【ダッカ市街】

ダッカ市内1ダッカ市内2

ダケシャリ寺院ダッカ・スタジアム

※提供:写真家・吉田優氏(次ページ以降も)。
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■ダッカ

  首都ダッカは人口400万人、ここは熱い空気が人々と車とカラフルに彩色されたリキシャで埋まる街、熱気に満ちた街の人々のエネルギーは灰色の空に吸い込まれていく。高層のビルとその谷間を埋める空間に今という瞬間を生きている人々の視線が迫ってきそうだ。
  小さな店が並ぶ街外れは日本の夏祭りに似ている。アセチレンの匂い、裸電球の点る店に三々五々集まってくる若者の語らいがある。露天から煙るスパイスの効いた匂いが食欲を誘う。雑貨屋、たばこ屋は男たちの憩いの場でもある。店を囲んでおしゃべりする男たちの顔は一日の仕事の疲れを癒す場所であり、社交場でもある。旅人の一挙一動のしぐさもすぐ捉える店の主人の顔は異邦人にとてつもなくやさしい。
  ダッカはムガール帝国時代に開かれた都市であり、殊にショナルガオンはベンガル地方最古の都の一つで13世紀まではデーパ朝の権力の中枢として発達し、その後ムゴール朝が台頭するまでの期間はスルタン統治下のベンガル地方の副都市として繁栄した。キイアシュディン王の墓、パチュービルやアラーの神殿、ゴアルデイー・ビレッジにあるモスク、ラルバグ砦、ポロカトラもムゴール朝時代の貴重な遺跡もあり、そのなごりを留めている新旧の建物が同居している興味深い都市でもある。

■チッタゴン
  ダッカに次ぐ第二都市チッタゴンは16世紀に訪れたポルトガルの航海者たちが“大いなる港”と呼んだように活気に溢れる国際港湾都市でもあり、また、ミャンマーに面したヒルトラックスは青々とした常緑樹林が茂る丘陵地帯であり、少数民族の住み処でもある。ランガマティ、バンダルバンの地方はそれぞれの少数民族がおり、それぞれの部族は昔ながらの儀式、習慣、生活様式を守りながら自然と一体となって暮らしている。彼等の生活は丘陵地帯での焼き畑農業により自給自足し、女性たちの多くは機を織り、その独特の色彩模様は織物の原点と思いたい。
  女性たちは色彩豊かな色とりどりのブラウスに長い布を巻き、赤い口紅を引いた若い女性たちから笑顔がこぼれる。その多くは仏教徒であり、日本人と同じ顔をした少数民族に出会い、親近感が湧くのは同じ民族としての誇りか、それとも安堵感だろうか。
  680平方キロに伸びる人造湖、カプタイ湖はつり、クルージングができ、自然を満喫させる。また、仏像を安置したチト・モロン寺院があり、毎年盛大な仏教祭が催される。この丘陵地帯は神々が住むという静寂な緑の地、静かなたたずまいがここにある。
  コックス・バザールは海浜の長さでは世界一、一部の欧米人も訪れる観光地として名高いが、観光地としての開発はこれからである。また、ナシラバードの丘にあるボスタミ王墳墓の側に生息する数百匹の淡水亀は生物学分類上でも唯一このところにしいかない“亀”の研究者にとっても興味深い。今から1,100年前この地を訪れた聖人の怒りに触れて亀の姿に変えられ、聖人の従順な家来となったという伝説が残り多くの訪問者や巡礼にやってくる人が後を絶たない。
  チッタゴンはダッカに比べ陽射しは強いが乾燥してしのぎやすく、観光に最も適していて街並みも整然として落ち着いている港町でもある。

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