ガイドブックのない国 バングラデシュ ……Page >>>>

【バゲルハートのモスク】


【バハールプールの仏教寺院跡】


※写真は、クリックすると大きな画像でご覧になれます。
■ユネスコ文化遺産・ユネスコ自然遺産

  バングラデシュは二ヶ所の文化遺産と、一ヶ所の自然遺産がユネスコに登録されている。バゲルハートのモスク都市は古代イスラムの都市遺跡であり、約50のモスクが残存しており、この時代のハーン・ジャハン王の隆盛の時代を垣間見ることができる。
  もう一つの文化遺産はパハールプールの仏教寺院跡である。8世紀半ばから400年間ベンガル地方を支配していたパーラ王時代、この地は仏教が栄えていた。この大僧院はインド大陸でも最大のものであり、多くの仏教を学ぶ人々や巡礼者が訪れたという。この建築様式はミャンマーの寺院、カンボジアのアンコール寺院、インドネシアの建造物に深い影響を及ぼした。いま、その原形を留めているのはなだらかな丘墳だけだが当時の面影を伝えている。他にコミラの仏教大学跡もこの時代のもので見逃せない。
  自然遺産、シュンドルボンはガンジス川、メグナ川、プラマプト川からなるベンガル湾のデルタ地帯にあり、マングローブの森は世界最大の規模であり、ロイヤルベンガルタイガーの生息地として知られ、豊かな自然は野鳥の宝庫でもある。“シュンドルボン”は“美しい森”の意、まさにその名のとおり、観光者から絶賛されている。
  その他にもインド、アッサムに隣接するシレットは紅茶畑が四方に広がり、睡蓮のマドハルプール湖、少数民族の伝統あるモニプリダンスなど観光を上げればきりがない。各県により歴史的なモスク、遺跡があり、素朴だがお祭りも各地で見られる。

バゲルハートのモスクバハールプールの仏教寺院跡
■村の風景

  小さなモスクから朝の祈りが聞こえる。朝もやがかかり、鶏の声がする。まだ夜も明けない薄暗い台所で音がする。かまどから煙が出ている。厚手の鉄板が置かれ、小麦粉を練ったルティが焼かれる。大家族の食事はルティの枚数も沢山だ。女性たちはかまどの前に座り込み、念入りに一枚一枚ルティを焼く。木綿の色褪せたサリーを無造作にまとい、時々肩から落ちるサリーの布を払いのけながら、それは額から流れる汗との戦いである。村の女性たちは働き者だ。早朝から家の前の庭と家の中を掃除する。家の掃除をしておくことは神様が来てくれることであると信じている。土間は手のひらで固めたように滑らかだ。
  村のバザールは村人が持ちよったキャベツ、カリフラワー、ジャガイモ、大根など地べたに並んである。足を縛られた小振りの鶏が数羽音を立てている。小魚が笊の中で飛び跳ねている。村のバザールは早朝から8時に終わってしまうが、ここは村人たちの社交場でもある。昼間は子供たちの遊び場、朝と夜はバザールと、小さな広場は様相を変える。村には雑貨屋が一軒だけ、最小限の品物を売る店はクッキーを5箱も買えば売り切れてしまいそうだ。この広場は夜店が登場する。やかんにミルクティが沸き、村の男たちが集まってくる。世間話が大好き、政治の話が大好き、情報はここが発信地であり、村のコミュニティーを支えるのはたぶんこんなところからかも知れない。
  子供たちが裸足で元気に駆け回っている。土手には牛が昼寝をしている。田畑を耕す農夫の足取りはゆっくりとゆっくりと牛の舵をとっている。黄色い菜の花畑、のどかな風景、タイムトンネルはさほど遠くないところにありそうだ。ロウソクを囲み家族の団欒がある。忘れてしまった家族の絆、昔の懐かしい記憶はまさに村そのものである。






NEXT>>