知られざるイラクの素顔 ……Page >>>>



ノラ15歳
■美しい女性たち

  
小学校から大学まで、教育現場を案内してくれたのはすべて女性たちだった。そうして、親しくなった女性たちは自宅に招き、食事の招待をしてくれた。決して裕福でない家庭で、たくさんの料理を作って、家族総出で出迎え、帰りのタクシー代まで彼らが払ってしまった、ホスピタリティーにただただ驚くばかりだった。
  「子供の教育を」と、奮闘する大勢の女性たち、自分の国は自分でやっていこうとするイラク人の健気さがあった。「イスラム」というイメージを払拭したイスラムの国がそこにあった。戦争の傷跡を持つイラクの人々はアフガニスタンの戦争を誰よりも悲しんでいた。イスラムはもともと平和を意味する。滞在したホテルのルームサービスを取り仕切る女性マネージャーはクリスチャンだった。ホテルの前の教会から聞える鐘の音は時計代りになり、重量感ある、色彩豊かなモスクはあちこち見られるものの、モスクから聞えて来るアジャンの祈りは金曜日の礼拝を除いて静かなものだった。
  街中で女性たちはおしゃべりをし、レストランは若い女性たちや家族連れで賑わっていた。夜、「さよなら」とタクシーに乗って帰る女性たち、それこそ、本来のイスラムの姿でないか、その自由こそがアメリカは最も嫌う材料なのではないか、と思った。
  「イラクの女性は黒い瞳と目が大きいのが特徴、本当にきれいだよ」とイラクへ行く前に教えてくれたヨルダン人の言葉どおり、友人となった女性たちは気持ちも美しかった。




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