知られざるイラクの素顔 ……Page >>>>





バビロン遺跡のイシュタル門(レプリカ)
■観光への期待

  「日本からのお客さんは?」と尋ねたら「全くない」という。「私たちは頑張っているけど、なかなかイラクの国の情況を伝えることができない」、「昔は日本からたくさんの観光客が来た」と懐かしむような顔をした。「とにかく私たちはP.Rが必要だ。日本を除いて観光客はある。観光には何も問題はないのだが」と、しかし、「日本は遠い」というのが政府観光局長アブドル・カリーム氏の日本観のようであった。彼らの多くは、「今の状況下では・・・・」という。
  
しかし、すでにヨルダン、トルコ、シリア、イラク、イランを結ぶ観光バスが定期的に走っている。「イラクはメソポタミア文明の発祥地、日本人にとってはその魅力は大だ」というと「もちろん」といい、「日本人ってどこへでも行きますから」と笑っていうと「私たちは日本からのお客さまを歓迎する。いつでも来てください」と氏は結んだ。
  
街を歩くとたくさんのモスク、寺院、そうしてアラビアンナイトの世界を彷彿させる匂いがある。アラブという未知の世界を覗くなら、イラクからスタートするのが一番いい。歴史の宝庫であり、人々の暖かさに「これがアラブの国?」「これがイスラムの国?」と驚くに違いない。そうして、中東という遠い国は近くなっていくのである。
  
「メソポタミアの時代は必ずやって来る」という文章をどこかで読んだことがあるが、その時代は案外早く来るかもしれない、とイラクを訪れてその言葉の意味を実感したのだった。

■エピローグ

  イラクのイメージ、そこには「脅威」という名のイスラム国家が存在している、と。しかし、その脅威は目に見えないマスコミが作り上げた「脅威」なのだ。ひとたびイラクを訪れた者のなら「脅威」は外部からやって来ることを認識する。
  
他国の領土へ今も空爆を許している世界の世論は加害者と被害者の見分けも付かなくなってはいないだろうか。
  
経済制裁は市場を閉ざしている。この稿を書いている今日、タイとの国交をスタートさせる、という記事があった。こうして、イラクとの国交は徐々に広がりを見せているのも確かなことだ。
  
厳しい情況下、子供たちの笑顔に救いがあった。その表情はイラクの未来を託すかのように明るかった。
  
イラクは遺産の宝庫である。その遺産は長いこと守り続けてきたイラクの人々はもとより、私たち地球に住む者の財産でもある。アメリカの仕掛けるイラクの脅威とはアメリカ自身が恐れる世界の世論に対しての脅威へのプロパガンダなのだ。
  
イラクへ訪れればその美しい国と人々のやさしさを旅人は同時に手に入れられることができるのだ。