インタープリテーションプログラム ……Page >>>>

■インタープリテーションプログラムのおもしろさ(その3)

○○○――――キーワードは「体験する」「興味を引き出す」
○○○○○○「感じる」「楽しむ」「感動する」



  インタープリテーションとは、インタープリターが自然や文化などの題材を使って、単に見るだけでは気づかず知ることができないことをツアー参加者の感覚に訴えて気づかせ、驚かせるなどして、興味を刺激しつつ知識や情報を提供する作業です。ツアー参加者はその体験を喜び楽しみながらも、インタープリターが投げかけるメッセージから何かを発見し、知識を習得し、そして自らの自然観にも考えをめぐらすのです。インタープリターは、ツアー参加者をリードしながら彼らとともにツアーを作り上げるいわばプログラムの主演者です。
  インタープリターには、地域の自然や文化に関する正確で専門的な知識に加え、それを分かりやすく伝え、参加者を楽しませるエンターテイナーであることが求められます。ツアーに対する参加者の満足度の高さはインタープリターの評価によるところが大きいので、インタープリターの能力、工夫と熱意は、単独のツアーだけでなく、その事業としての成功に向けての重要な鍵になります。

■インタープリテーションプログラムの戦略性





ホールアース自然学校(WENS)
(教育旅行の体験化にフィットし、新たなニーズを創造)


  実は、このようなI・Pにはしたたかな戦略性も備わっています。旅行者の今日的なニーズに合致しているという点は、前述の通りです。さて、読者の多くは、旅行者ニーズに興味がある反面で、観光行動とそれに伴う消費は地域経済に様々な影響を及ぼすという側面は見過ごしがちだと思いますが、ここではもう少し地域振興にも視野をひろげてみましょう。
  I・Pの開発とその成功には、観光客数の増加、滞留時間の増大、客層の広がり、シーズナリティの緩和、リピーターの増加のような直接的な効果と、これに伴う地域産業への波及効果、雇用の増大といった地域経済への効用が期待できます。また、これは、ソフト開発による観光魅力の創出なので資金面では取り組みやすく、また観光地開発による一般的な弊害も少ないことも利点です。加えて、参加者の感性や知識に訴えかけるツアーなので、一般的には知的、教育的、倫理的といった地域イメージの向上をもたらします。さらにI・P開発を通じて地域の見直し、魅力の再発見、価値観の共有、外部との交流による地域活性化といった好循環や住民意識向上も期待できます。
 
 加えて、開発の汎用性という点も、I・Pの大きな特色です。I・Pにおいてツアー参加者が惹かれるものは、自然や地域の歴史や文化に関する専門的な知識に裏付けされたインタープリテーションそのものの魅力です。I・Pは見る対象となる観光資源に過度に依存した従来型観光とは異なり、インタープリテーションの内容で勝負するツアー様式なので、注目されている観光資源や他では見られない特別な自然がないために従来の観光市場では競争力が弱かった地域も、プログラムの中身と楽しませる工夫次第で優位に立つことが可能になります。